注文住宅を建てる前に、読んでおいたほうがいい本を教えてほしい。
今日の記事はこういった疑問に答えます。
私は2018年12月に平屋を新築しました。
5年ほどかけて検討し、おかげさまで満足度の非常に高い平屋を建てることができました。
満足度が高い平屋を建てることができた要因のひとつが、「本を読んで学んだこと」です。
建築はもともと大好きでしたが、専門家のかたが書いた本を読むことで、家に関する知識が圧倒的に増えて、自分たちの理想の家に必要なことが理解できました。
今日の記事では以下の2つに分けておすすめの本をご紹介します。
- 家を建てる前に読んで本当に参考になった本4選
- 家を建てたあとで読んで面白かった本4選
注文住宅を建てる前に読んで本当に参考になった本4選
まずは家を建てる前に読んでよかった本をご紹介します。
- 片づけの解剖図鑑
- 住まいの解剖図鑑
- エコハウスのウソ
- ホントは安いエコハウス
片づけの解剖図鑑
絶対に読んでほしい本を1冊だけ選べと言われれば、まっさきに挙げるのが「片づけの解剖図鑑」です。
我が家の、玄関収納、書斎(ワークスペース)、キッチンのごみ箱置き場、南側の浴室、パントリーは、「片づけの解剖図鑑」に書いてあることを積極的に採用しました。
家を建ててみて、約2年住んでみて、本当にそう思います。
「片づけの解剖図鑑」は、散らからない家を作ることをメインテーマに、めちゃくちゃ機能的な家の作りかたを提案してくれます。
家が散らかってしまうのは住んでいる人が悪いのではなく、片づけにくい家が悪いのです。
私は「片づけの解剖図鑑」を読んだことが、快適な家を建てられた原因の80%くらいだと思っています。
時短で機能的な家を建てたい人は、ぜったいにぜったいに読んでください!
片づけの解剖図鑑は【レビュー】「片づけの解剖図鑑」は心地よい住まいを作りだす仕組みを学びたいかた必見!で詳しく解説しています。
住まいの解剖図鑑
「解剖図鑑」シリーズで一番有名な本が、この「住まいの解剖図鑑」です。
先ほどご紹介した「片づけの解剖図鑑」は、「片づけ」というテーマを通して快適な家づくりを提案している本でした。
どちらかというと、間取りのどこに、どのような部屋を持ってきて、配置した部屋の中にどのような収納スペースを設けると良いのか?に主眼がおかれています。
対して「住まいの解剖図鑑」は、もっと広い範囲で「心地よい住宅」を建てるためにはどうすればよいかが語られています。
強いてテーマを上げるとすると、「人の移動」にフォーカスを当てて、心地よい住宅の作り方が豊富な事例とともに語られます。
私はキッチンの、シンク、ワークトップ、コンロ、冷蔵庫の並びに使いやすい配置が存在する、ということを「住まいの解剖図鑑」を読んで初めて知りました。
しかし全体の間取りのバランスをとるために、私の家のキッチンは、「住まいの解剖図鑑」で読んだ通りの配列にはできませんでした。
その結果、使い勝手がやや落ちることになり、「住まいの解剖図鑑」に書いてあることはやっぱり正しかったんだ!と後悔する場面もありました。。。
キッチン配列の後悔については【キッチン・ダイニング】後悔・失敗ポイント21選で解説しています。
家の中だけでなく、駐車場や外構といったところまで全体的に網羅し、移動しやすい快適な家づくりに参考になる情報が満載です。
「住まいの解剖図鑑」を読めば、家を構成するパーツがどんな理由で、なぜその大きさで設置されいるのかを理解することが可能です。
エコハウスのウソ
高気密高断熱。
昨今の家づくりのキーワードですね。
「エコハウスのウソ」を読めば、夏涼しく、冬暖かく、それでいて光熱費も抑えられる家づくりの基礎が学べます。
このような考えが間違いであることが、「エコハウスのウソ」を読むとよくわかります。
せっかく新居を建てたのに、窓は結露しまくるし、冬はエアコンをガンガンにまわさないと寒くていられない、なんて家だったら悲しいですよね。
自分がこれから建てようとしている家は、高気密高断熱の家なのか?
自分で判断したい人は、「エコハウスのウソ」は必読の書となります。
アルミサッシ、樹脂サッシ、ペアガラス、トリプルガラスの性能差が知りたい人にもまさにうってつけの本。
実際のデータとともに、断熱を考えるうえで窓がいかに重要かわかります。
我が家は窓に相当こだわりましたが、「エコハウスのウソ」に多大な影響を受けたことは間違いありません。
詳細レビューは【レビュー】前真之さん著「エコハウスのウソ」は41の省エネの疑問を解決できる良書!で解説しています。
より最新のデータが記載された続編も発売されています。
家の性能に興味がある人は合わせて読んでみてください。
ほんとは安いエコハウス
著者の松尾和也さんは、2005年に「サスティナブル住宅賞」受賞、現在に至るまで、夏涼しく、冬暖かく、結露がなく、省エネルギーの家を一貫して建て続けている、エコハウス界のスーパースター(すみません、私の勝手なイメージです)です。
私がもし兵庫県近隣に住んでいたら、数年の順番待ちは覚悟しても松尾設計室に家づくりを頼みたい!と思っていたはずです。
我が家も採用した「床下エアコン」の第一人者としても有名な松尾先生。
冬は床下エアコン暖房で、夏は小屋裏エアコン冷房で。
2台のエアコンだけで理想的な全館空調を実現可能なことを知らない人は多いでしょう。
家を建てたあとで読んで面白かった本4選
続いて、家を建てたあとに読んで面白かった本です。
- 建築知識2019年9月号「平屋設計 成功の方程式」
- 「だん」05 2019Winter
- 家づくりのセカンドオピニオン
- この間取り、ここが問題です!
建築知識2019年9月号「平屋設計 成功の方程式」
平屋住宅を考えているかたに絶対に読んでほしい、建築知識の平屋特集号です。
建築が好きなもので、家を建てたあとも本は引き続き読んでます(二軒目を建てられる財力はないですが!)
特に自分が平屋を建てたので、「平屋」というキーワードには目がありません。
そんな中、建築知識さんが平屋特集をやってくれたので、すかさずアマゾンでポチりましたよ。
とっても魅力的な長い壁面収納のある平屋、大きなロの字型の中庭を持つ平屋など、平屋好きなら見ているだけでも楽しい事例が盛りだくさん。
もちろんこれから平屋を建てようと思っている人にとっては、リアルな実例として参考になること間違いなしです。
平屋もアリかな~と少しでも思っている人は、建築知識2019年9月号を読んでみてください。
もしかしたら、「絶対平屋にしたい!」と思うかもしれませんよ!
詳細レビューは【建築知識2019年9月号「平屋設計 成功の方程式」レビュー】心地良さの秘密を徹底解剖!で解説しています。
「だん」05 2019Winter
最新の高気密高断熱住宅についての情報を集めるなら雑誌「だん」がおすすめです。
毎号面白いですが、私のおすすめは05です。
おすすめの理由は、「家事楽」を究めた共働きの家 という事例がめちゃめちゃ素晴らしい平屋間取りだから!
36坪の平屋ですが、ランドリールーム、趣味の土間、トイレも2つ、収納も適材適所で、必要な機能が無駄なく凝縮されています。
おすすめ本がどうしても平屋よりになってしまうのですが、上でご紹介した建築知識と同じく、平屋を検討しているかたはもちろん、2階建てを考えている人にもぜひ一度読んでみてほしいです。
「読書は苦手」という人でも、雑誌の「だん」なら気軽に読めるのでおすすめです。
詳細レビューは【「だん」05 2019Winterレビュー】家事楽の間取りと高断熱住宅を知りたいかた必見で解説しています。
家づくりのセカンドオピニオン
知名度はあまり高くない本かもしれませんが、これから家づくりを考えているかたが、家づくりの重要なポイントを総ざらいするのに最適な一冊になります。
著者の岡田八十彦さんは全国の工務店に高気密高断熱住宅の設計手法などのコンサルタントを行っているかたです。
まさに「プロに教えているプロ」が書いた本ということで、高性能住宅を建てるためのノウハウが満載です。
多くの人は見た目やデザインにばかり目がいきますが、家づくりで本当に大事なことは目に見えない部分だったりします。
断熱材や気密性能、樹脂サッシなどパッと見では違いがわからない部分にこそ、50年快適に住める住宅の神髄があります。
そして、岡田さんは「家づくりにおいて、性能は比較できる」と最初に断言しています。
メーカーの知名度などに惑わされずに、きちんと数値で快適性と経済性を確認することが重要ですね。
例えば本書の中では、性能の低いローコスト住宅と、Q値1.0の高性能住宅のコストを比較していて、光熱費を加味すると、実は住宅ローンを含めた毎月支払うコストは同じという結果が示されています。
同じお金を払うのであれば、夏涼しく冬暖かくて健康にも優しい家に住んだほうがいいに決まってますよね!
家はとにかく安いほうがいい!と、ローコスト住宅にしか関心がない人も、本著を読めば高性能住宅で快適な毎日を送るほうが良いと改心すること間違いなしです。
高性能な家づくりを総合的に学びたい人に超おすすめの一冊です!
この間取り、ここが問題です!
最近読んで、強烈に面白かったのが、船渡 亮さん著「この間取り、ここが問題です!」でした。
間取りに特化した本書は、実際の間取り図に対して、プロの目線で間取りの問題点を指摘し、具体的な改善策を提示する、という流れで書かれています。
私がとくに面白い、参考になる!と感じたのは以下6つ。
- 間取りを暮らしに変換する
- ポジティブプランニング&ネガティブシミュレーション
- 靴の出し入れで土間に下りる玄関
- 原則2 メインストリートを設定する
- 「子育てしやすい間取り」は目指さない
- この家のどこでセックスするの?
家を建てる前のかたが読めば、間取りの基本を考えるための参考になります。
そして家づくりを始めて、いよいよ間取りプランが決まりそう、といったかたが読めば、自分達の間取りプランの隠れた欠点をあぶり出すことができるでしょう。
間取りで失敗したくない、本当に家族全員が暮らしやすい間取りの作り方を知りたいかたは必読の書です!
詳細は、【レビュー】船渡 亮さん著「この間取り、ここが問題です!」は超具体的な間取り改善の指南書!で解説しています。
【まとめ】知識の多さは注文住宅の成功確率を飛躍的にアップさせます!
新築を考えたとき、ほとんどの人は建築に関して素人です。
しかし家は何千万もする超高額な買い物。
やり直しはできない一発勝負に、素人のまま挑んで後悔したくないですよね。
今回ご紹介した本は、どれも素人である私たちの強い味方。
総じて言えるのは、「本って安すぎ!」ってことに尽きます。
家づくりのプロのかたが何年もかけて身につけた知識、経験を、一冊2,000円くらいで学べるなんて、こんなにコスパが良いものってありますか??
まさか、2,000円払うのケチって、何千万もかかる家づくりで損をした・・・なんてことがないように・・・。
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本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
みなさんの後悔のない家づくりの参考になれば幸いです。
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