- 【雑誌】「だん」05 2019Winterの内容を知りたい
今日の記事はこういった疑問に答えます。
【「だん」05 2019Winterレビュー】家事楽の間取りと高断熱住宅を知りたいかた必見
今日の記事は、雑誌「だん」05 2019Winterをレビューします。
- 雑誌「だん」05 2019Winterレビュー
私は2018年12月に平屋を新築しました。
実際に家を建てた経験を踏まえて、建築に関する本のレビューをお届けします。
今日の記事は、雑誌「だん」05 2019Winterのご紹介です。
「だん」は、高断熱住宅がテーマの雑誌になります。
冬暖かく、夏涼しい家を建てたい方にとっては、必読書とも呼べる内容です。
今号では特に以下3点がおすすめの記事になります。
- 「家事楽」を究めた共働きの家
- 人生100年時代の隠れ3大リスク
- 寒い家は免疫力が低下する
このあと、おすすめの3つの記事を中心にレビューをお届けします。
だん 05 2019Winterの概要、目次
結論、高断熱住宅を建てたい人には必見の内容が満載です。
アマゾンの内容紹介より引用
「次の週末に叶えたい、理想の生活」をコンセプトに掲げるコミュニティメディアNEXTWEEKEND代表の村上萌さんに、高断熱住宅の魅力をインタビュー。中古マンションを断熱リノベーションした経緯と暮らしぶりについてお話いただきます。
家という場所、夫婦の家づくり、大切にしたことなど、家づくりのヒントが満載です。特集1は「冬の暮らしを楽しむ暖かい家」。冬暖かい家で生活することで家族の過ごし方が変わった3家族の事例を紹介。
特集2は「人生100年時代の安心住まい」。人生100年時代を迎える今、家庭や家族のあり方だけでなく、「住まい」についてもこれまでの考え方を変えていく必要があるのでは? 「長く住める価値の落ちない家」に紐づく隠れ3大リスク「住宅寿命」「自然災害」「家族の健康」について、家の資産価値や住まいのリスクに詳しい専門家にお話を聞きました。
アマゾンより目次を引用
[Contents]
巻頭インタビュー
すべての部屋を一年中愛せるのが高断熱住宅の魅力
NEXTWEEKEND 代表 村上萌さん– 特集1-
家全体が暖かいから家事も趣味も充実
冬の暮らしを楽しむ暖かい家– 特集2-
人生100年時代の安心住まい
長く住める価値の落ちない家 さくら事務所 長嶋修
住宅寿命 住まいの屋根換気壁通気研究会 神戸睦史
自然災害 リスク対策.com 中澤幸介
家族の健康 慶應義塾大学教授 伊香賀俊治連載
窓が変える暮らし 相模 稔
すまいと健康の深い関係 星 旦二
30 年後に泣かない家 森 亨介
住宅火災から身を守る 鎌田紀彦
高断熱住宅の最新技術「サーマックス」
暮らしと。[住まい手実例] 伊藤菜衣子
コミック「工務店で建てる『だん』の家」
だん 05 2019Winterのポイント
私が特に気になったポイントを3つご紹介します。
- 「家事楽」を究めた共働きの家
- 人生100年時代の隠れ3大リスク
- 寒い家は免疫力が低下する
「家事楽」を究めた共働きの家
K邸は、1カ所を除くすべての開口部に超高性能なトリプルガラスの樹脂窓を採用した平屋住宅。高断熱にしたことで、約120㎡ある家全体の冷暖房を2台の輻射冷暖房パネルでまかなうことができます。「風が発生しないので空気がきれいで音が静か、触っても安全、風邪をひきにくい・・・など子どもにも大人にもいいことずくめ」だといいます。冬は23℃設定にしても6~8時と17~3時の時間帯だけタイマーで稼働、夏は27℃設定にして24時間つけっぱなし。この輻射冷暖房の効きをよくするため、壁・天井にはセラミック成分を練り込んだ漆喰が塗られています。また、建具すべてが引き戸なので、必要な分だけ開けておけば家じゅう同じ温度になるそうです。
だん 05 2019Winter P.12より引用
内容の補足
team-K 風間さん設計の栃木県佐野市の平屋住宅が紹介されています。
住宅の詳細なスペックと、こだわりのポイントが吹き出しで記載されたイラストの間取り図の構成です(上の写真は間取り図の部分を撮影しましたが、著作権があるのでボカしました。本当に素晴らしい間取りなのでぜひ本書を手に取ってご覧になってみてください)
実際に平屋を建てた私が読んだ感想
私は自宅の平屋を建てるのに相当こだわったほうだと思うので、正直、他人の家の平屋の間取り図を見てもあまりうらやましいと思うことはないのですが、このK邸については嫉妬するくらい使いやすそうな間取りでした。
「家事楽」を究めるというタイトルのとおり、特に水回りがの回遊性が良いのが特徴です。
延床面積36.32坪の中に、必要な機能と収納スペースがグっと凝縮されていて、なるほどこの間取りならば家事はすばらしく捗るだろうなという印象です。
特に我が家の失敗ポイントのひとつだったランドリー室が完備されており、洗濯→干す→取り込む の動作が同じ室内ですべて完結する作りになっていることが素晴らしいです。
Kさんのご家族は0歳と3歳の男の子がいる共働きの世帯。
共働きで急な天候の変化などに対応できない状況を考えると、ランドリー室が組み込まれているのは大変便利だと思います。
また、リビングやキッチンにも十分な収納スペースが整っており、使う場所に必要な収納スペースが備わっていて、片付けもしやすそうです。
さらに平屋にも関わらずトイレも2つあります。
トイレ渋滞を避けるためと、ウイルス性胃腸炎にかかった時の家族間感染を防ぐため、という2つの理由からだそうです。きちんと理由があっての2か所設置はとても素晴らしい選択ですね。
このように、たくさんの機能と収納を間取りに組み込んでいるにも変わらず、玄関脇には4.5畳ものご主人用の趣味土間スペースまであります。
建具がすべて引き戸な点は我が家と同じで、やはり引き戸は開けっ放しにしておく必要がある場合などには便利なのだと共感しました。
家族が暮らしやすく、しかも徹底的に家事負担が合理化されていて、コンパクトな平屋にここまでの機能性を持たせているのは驚愕に値します。
また、輻射冷暖房パネルも風が発生しないことが一番のメリットで、家族の健康状態の改善に多いに役立っていると思います。
サンルームの誤算も含めた我が家の間取り失敗ランキングを次に記事で解説しています。
人生100年時代の隠れ3大リスク
「軒ゼロ住宅」が危ない
雨漏りは屋根や壁で発生しますが、現代の新築住宅で発生頻度が高いのは屋根よりも壁からの雨漏りです。
日本の伝統的な民家は軒が大きく出ています。これは日射を調整したり縁側を使うためでもありますが、雨風が外壁や屋根と壁に接する部部に当たりににくくするためでもあります。雨風がこの部分に当たり続けると外壁材が劣化し雨漏りに至ったり、防水処置が不徹底な場所から雨漏りが発生するリスクが高まります。最近増えているキューブ型など軒の出がほとんどない「軒ゼロ住宅」はこの点が心配です。だん 05 2019Winter P.34より引用
内容の補足
一般社団法人住まいの屋根換気壁通気研究会理事長の神戸睦史さんが、住宅寿命に関する3つのリスクについて書かれています。
引用したのは雨漏りリスクですが、他に(2)「内部結露リスク」と、(3)「工事中の雨漏れリスク」についても解説されています。
実際に平屋を建てた私が読んだ感想
我が家を設計した建築士さんの特徴は、軒の重要性を理解されているかただと繰り返し当ブログでも取り上げてきました
実際に軒の威力は絶大で、軒が夏場の日射を効果的に遮蔽してくれるため、冷房にかかるエネルギーが極小で済むことがわかり、竣工後初めての夏は超快適に過ごせました。
今回のだんの記事では、軒が外壁を雨風から守る効果について詳しく解説されています。
私も昔は、モダンな陸屋根の四角い住宅に憧れていたことがありました。
やっぱり見た目がシャープでとてもかっこいい。
今でも町中を車でドライブしていて陸屋根の新築住宅を見ると、他の家と比べてデザイン性が高くて目立つ外観に憧れる時があります。
でも、実際に軒の絶大な効果を知ってからは、憧れはしますが、自分で住んでみたい、とは思わなくなりました。
外壁の劣化は、家を建てた後のメンテナンス費用にも直接的に関わってくる部分です。
建築知識2019年9月号をご紹介した記事でも取り上げましたが、軒が長く出た平屋は外壁のメンテナンス費用が2階建ての家と比べて300万円以上安くなるケースもあるそうです。
私はもう一度家を建てられるとしても、軒ゼロ住宅は絶対に建てません。
それくらい軒は家にとって重要です。
建築知識2019年9月号については次の記事で詳しく解説しています。
また、我が家の軒のレビューは次の記事で詳しく解説しています。
寒い家は免疫力が低下する
高断熱住宅で病気が改善する
健康を損なう大きな要因である家の中の温度差をなくすには、断熱性能を高めることが不可欠です。
私たちがこれまで行ってきた調査からは、温熱環境が良好な高断熱住宅に転居すると、病気になる人が減少することが判明しています。脳血管疾患は1.4%から0.2%に、心疾患は2.0%から0.4%に、糖尿病は2.6%から0.8%に、アトピー性皮膚炎は8.6%から3.6%にと、どの疾患も明らかに減少しています。
なぜ高断熱住宅に住むと、病気になりにくくなるのでしょうか。例えばアレルギーが改善するのは、カビやダニの原因になる結露が発生しなくなるからです。高血圧が改善するのは、末梢血管が広がって血圧が安定するのが理由です。糖尿病が良くなるのは、体温が上昇して循環が良くなり、糖の代謝が正常化するためなのです。だん 05 2019Winter P.48より引用
内容の補足
首都大学東京名誉教授の星 旦二さんが住まいと健康の関係について解説されています。
医学博士である星さんは、東京都衛生局、厚生省国立公衆衛生院にも勤務したことのある公衆衛生のエキスパートです。
医学的な立場から住宅の断熱性能と健康の関連性について研究されています。
星さん自身もご自宅のリビングと寝室の断熱リフォームを2014年に行ったそうです。
温かい寝室はぐっすり眠れ、夜中にトイレに起きることもなくなり、高血圧だった奥様の血圧もたった2カ月後で低下したそうです。
実際に平屋を建てた私が読んだ感想
「体温は免疫力に直結する」という星さんのお話はとても興味深いです。
低体温の人はがんになりやすいというのは私もなんとなく知っていました。
医学博士で公衆衛生のエキスパートである星さんの記事を読んで、さらに納得することとなりました。
「冷えは万病のもと」とはよく言ったものです。
体が冷えることは人間の免疫力に、確実に悪影響を及ぼします。
寒い家に住むことによってどのような健康的リスクがあるのかが、数々の事例とともに紹介されています。
私の息子、長男はアトピー性皮膚炎です。
アパート暮らしの頃は、特に乾燥する冬になると、手首やひざの裏、首回りなどが赤く炎症を起こしていました。
新居に引っ越してからは、その症状が明らかに軽減したことを実感しています。
今でも完全に治ったかと言えばそんなことはありませんが、皮膚の赤みや、子どもかゆがりかたを見ていると、引っ越す前の3分の1以下にはダメージが軽減している印象です。
アトピーだけでなく、家族、とくに子どもが風邪をひく回数も減少しました。
鼻炎や気管支炎になる回数も明らかに減少しています。
家族の健康が改善した主な理由は、3つ思いつきます。
- 高気密高断熱で常に室内が暖かいので、体温が低下する時間が大きく減ったこと。
- 室温が高いため過度なエアコン暖房によって部屋が乾燥することがなくなったこと
- 樹脂窓によってサッシの結露がなくなりカビやダニの発生原因が減少したこと
どれも家族の健康に好影響を与えたことは明白です。
特に冬場の体への負担が減り、ラクになったことは高断熱の家を建てて一番良かったと思うポイントになります。
【まとめ】雑誌「だん」05 2019Winter は高断熱住宅の情報が満載。必読の1冊です。
今日の記事をまとめます。
- 「家事楽」を究めた共働きの家は、平屋であっても、工夫すれば多機能を効果的に詰め込めるということがわかる大変素晴らしい間取りです。輻射冷暖房パネルも優れた空調です。
- 「軒ゼロ住宅」のリスクについては、もっと広く知られるべき。本書を読んでさらに強く感じました。軒の効果は絶大ですので、ぜひこれから家を建てるかたは軒を出すことを検討されることをおすすめします。
- 断熱性能と健康の関連性についてもとても興味深い内容でした。
本記事内では特に触れませんでしたが、「高断熱にすることは健康に生きるための投資」という観点から、家のトータルコストについても触れられています。断熱性を高めることは結局、医療費の削減につながることが本書を読むとよく理解できます。
本気で高断熱住宅を建てるつもりなら、絶対に読んでおくべきマストな1冊と断言できます。
また、家事楽の平屋を建てるヒントも得られますので、平屋を建てる予定のかたにもおすすめです。
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本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
みなさんの後悔のない家づくりの参考になれば幸いです。
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