平屋の実例

床下エアコンの4つのデメリット

床下エアコンの4つのデメリット
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床下エアコンを実際に使用している人が感じているデメリットを知りたい。

 

 

今日の記事はこういった疑問に答えます。

 

結論から言うと、床下エアコンには以下4点のデメリットがあります。

  • 冷房には使えない
  • 暖まるのに少し時間がかかる
  • 家族に反対される
  • 基礎断熱・高気密高断熱が必須

 

本記事の内容

床下エアコンの4つのデメリット

 

私は2018年12月に平屋を新築しました。

LDKの暖房には「床下エアコン」を採用しました。

今日の記事では私達の平屋に導入した「床下エアコン」のデメリットをご紹介します。

これから家を建てる予定のかたで、床下エアコンに興味があるかたは必見です。

床下エアコンのデメリット

デメリット

床下エアコンのデメリットは以下の4点になります。

  1. 夏の冷房には使用できない
  2. 暖まるのに最低1時間はかかる
  3. 知名度が低いため家族に反対されるリスクが高い
  4. 基礎断熱、高気密高断熱が必須であり、どのハウスメーカー、工務店でも採用できるわけではないこと

 

 

(1)夏の冷房には(基本的には)使用できない

いいことずくめの床下エアコンですが、冷房には使えません。

なぜなら、冷たい空気は下に落ちるからです。

床下エアコンを冷房で使った場合、冷気は床下にたまったままになるので、床上を冷やしてはくれないのです。

また、床下冷房すると結露のリスクもあり、基礎にカビが生える可能性もあります。

 

床置形エアコンなら冷房利用も可能だが足元ばかりが冷えて不快

床置形エアコンの吹き出し口調整

わが家のダイキン床置形エアコンには、「吹出切替スイッチ」があります。
このスイッチを「上部のみ」に変更することで、上の吹出口からのみ風を出すことが可能です。

上の吹出口からのみ風を出すようにすれば、床上に冷房を出すことも可能です。

しかしながら、上の吹出口からのみ風を出した場合には、高さ的に足元に冷房が出ることになります。

もともと冷気は下にたまる特性があるため、上の吹出口から冷房を出す使い方だと、どうしても足元ばかりが冷やされることになります。

これはあまり快適ではありません。

 

ということで、我が家の床下エアコンは、冬の暖房のみに使用して、冷房ではいっさい使っていません。

冷房はキッチンの壁の高い位置に取り付けた壁掛けエアコンを使っています。

LDKの冷房用エアコン

高い位置に取り付けた壁掛けエアコンなら、高い位置に冷房を出して、自然に下に冷気が落ちてくるため、部屋全体を快適に冷やすことが可能です。

夏用に空調をもう一台用意しなくてはならなくなったので、コストがかさみましたが、床暖房を入れるよりはトータルで低コストなため許容しています。

 

 

(2)暖まるのに最低1時間はかかる

我が家のLDKは23畳ほどですが、床下エアコンで室温が安定して暖まるには最低1時間はかかる印象です。

床下を暖めて、その熱が上に上がってくることで部屋が暖かくなる暖房ですから、直接部屋を暖める壁掛けエアコンとは特性が異なるからです。

 

我が家は冬になるとダイキンの無線LANアダプターを取り付けてタイマー設定をしています。
毎朝、朝の5時くらいから運転が開始されます。

朝の5時であればまだ夜間電力の時間帯のため、電気代が安く済みます。

5時スタートで、6時くらいには部屋はかなり暖まっています。

タイマー設定をすれば暖まるのに時間がかかるというデメリットはほぼ解消されます。

我が家のように無線LANアダプターを取り付けて外からもスマホ経由で操作できるようにすれば、外出から帰ってくる前に暖房を入れておくという使い方も可能になります。

無線LANアダプターとダイキンのアプリについてはDaikinAPPで遠隔操作【ダイキン無線LAN接続アダプターレビュー】で解説しています。

 

床下エアコンを24時間稼働したままにする方法もあり

暖まるのに時間がかかる床下エアコンの問題を、タイマー以外で解消するには、24時間床下エアコン暖房を運転したままにする、という方法もあります。

松尾和也さん著「ホントは安いエコハウス」では、床下エアコンの間欠運転と、24時間連続運転では暖房の消費電力は16%しか違わないというシミュレーション結果が記載されています。
もし全館を床下エアコンで暖められるタイプの家であれば、24時間連続運転のほうが多少電気代がかかっても家中どこでもいつでも20℃以上になって快適です。

我が家は平屋で床面積が広く細長い形状のため、床下エアコン1台で暖められるのはLDKだけです。
寝室子ども部屋などにはそれぞれ一番小さなサイズの壁掛けエアコンを取り付けています。プライベートスペースまで床下エアコンを採用する、いわゆる「全館空調」にはしませんでした。

実際、寝室や子ども部屋などは、寝る時しか基本は利用しないため、壁掛けエアコンで、必要な時だけ暖房しています。
実際に我が家はそれで十分と感じています。

以上の理由から我が家の場合はLDKが寒い時だけ使う間欠運転で良いという判断ですが、全館空調にするのであれば床下エアコンを24時間稼働するという選択肢もあります。

 

 

(3)知名度が低いため家族に反対されるリスクが高い

我が家は当初、LDK和室を床暖房にする予定でした。

しかし、コスト面で断念することになり、代わりに床下エアコンを提案されたときは、正直、「床下エアコン?なにそれ」という感じでした。

そのあと、ネットの情報や、「本当は安いエコハウス」などの本を読んで勉強したところ、これは安いうえに結構イケるかも!と思い、私自身は一気に床下エアコンに心が傾きました。

ただ、妻は最後まで、「そんな聞いたこともないような暖房で本当に大丈夫?!寒くないの?」と懐疑的でした。

家族の理解が得にくいことは、床下エアコンの隠れたデメリットと言えます。

 

確かに床下エアコンは床暖房ほどの知名度はありません。
建築の勉強をしたことがない人には、全く馴染みのない言葉です。
大手ハウスメーカーでもあまり採用はされていないと思うので、なおさらですね。

だから妻が心配する気持ちもわかりました。

しかし、どうせ床暖房をあきらめて、普通の壁掛けエアコンにするのならば、ここは設計士さんと工務店さんの「暖かいですよ」という言葉を信じて、新しいことにチャレンジしてみようと決断しました。

結果は非常に快適で大成功でした。

今では妻も、「床暖房はいらなかったね~、床下エアコン暖かい!」と絶賛しています。

我が家に遊びにきた妻のお義母さんも、「なにこの家、足元が暖かいわね。床暖房みたい」といって驚いていました。

床下エアコンを提案してくれた設計士さん、工務店さんに感謝です。

これでもし寒かったら妻から一生文句言われるな~と建築中に毎日思っていたのは今ではいい思い出です  (笑)

 

この記事を読まれているかたの中にも、まだ信じられないと思っているかたもいるかも知れません。

確かに、コスト面が問題なければ、床暖房のほうがリスクは少ないです。

しかし、床下エアコンは、例えば総二階の家などであれば、構造を工夫することで、エアコン1台で1階、2階の全部屋を暖めることもできるのです。

私も自分の家を建てたあとですが、展示場やオープンハウスで床下エアコン1台で全部屋を暖房している家を体験しました。
夏の冷房は2階のエアコン1台でOKな家もありました。

今の高気密、高断熱の技術があれば、エアコン1台で家全体を暖めるといったことが可能になりました。

全部屋床暖房にする、ということも可能ですが、やはりランニングコストを考えると二の足を踏む方は多いでしょう。

床暖房を採用されることを考えているかたは、一度立ち止まって、床下エアコンも検討してみてください。

十分検討に値する暖房方式だと思います。

 

(4)基礎断熱、高気密高断熱が必須であり、どのハウスメーカー、工務店でも採用できるわけではないこと

床下エアコンは家の構造が「基礎断熱」なことが必須です。
他の工法の家の場合には床下エアコンにすることはできません。

また、高気密高断熱でないと十分に機能しません。

後付けは構造的に難しいので、床下エアコンを採用したいなら、家づくりの最初からプランに盛り込む必要があります。

床暖房であれば選べる床材に制約が出る可能性はありますが、基本的にはどのような工法の家でも採用できます。設計の自由度から言えば床暖房のほうが有利です。

家づくりの最初から床下エアコンを施工できる住宅会社を選定しなくてはいけない部分はデメリットと言えるでしょう。

もし床下エアコンを採用したいのであれば、最初から床下エアコンを得意とする住宅会社を探して依頼する必要があります。

 

【まとめ】床下エアコンの4つのデメリット

以上、床下エアコンの4つのデメリットをご紹介しました。

  1. 夏の冷房には使用できない
  2. 暖まるのに最低1時間はかかる
  3. 知名度が低いため家族に反対されるリスクが高い
  4. 基礎断熱、高気密高断熱が必須であり、どのハウスメーカー、工務店でも採用できるわけではないこと

聞きなれない暖房方式のため心配なかたも多いと思いますが、きちんと施工できる住宅会社を見つけられるかどうかが成功のカギになります。

逆に言えば、実績があり信頼できる住宅会社が見つけられれば、積極的に採用を検討してほしい暖房です。