- 引き戸玄関のデメリットを知りたい
今日の記事はこういった疑問に答えます。
私は2018年12月に平屋を新築しました。
玄関は、建築士さんオリジナルの木製引き戸です。
今日の記事は我が家の引き戸玄関の唯一のデメリットをご紹介します。
これから家を建てるかたで、引き戸の玄関に興味のあるかたは必見です。
引き戸玄関のデメリット
引き戸玄関のデメリットはズバリ、気密性が低いことです。
開き戸に比べて引き戸は気密性が低い
引き戸玄関の最大の弱点。
それは気密性です。
引き戸は横にスライドするという構造上、開き戸に比べてどうしてもドアと壁、床、天井の隙間が大きくなります。
既製品の引き戸玄関はそこそこの気密性があります
それでもYKKAPやリクシルといったメーカー製の玄関引き戸は、気密パッキンが工夫されていて、引き戸なのに気密性が高い作りになっています。
我が家も土間の勝手口はYKKAPのコンコードという引き戸を使っています。
扉が閉まる場所には写真のようにゴムパッキンがついていて、扉が閉まるとこのゴムパッキンと扉がぴったりくっついて隙間をなくす構造になっています。
我が家のコンコードはアルミタイプのS01です。
扉自体はアルミなため冬場はものすごく冷たくなりますが、気密パッキンのおかげで隙間風は皆無です。
コンコードの断熱性については【平屋の実例】サーモスXで後悔?結露は?【APW330/430と比較】で解説しています。
コンコードの例でわかるとおり、開き戸と全く同等にというのは難しいですが、引き戸でも気密性をある程度高めることは可能ということです。
我が家の木製玄関引き戸は、施工当初は気密施工はほぼ皆無でした
我が家の玄関ですが、オリジナルの造作引き戸のため、メーカー既製品のような気密施工はありませんでした。
写真は下部のレールの部分ですが、気密パッキンなどはありません。
下は扉の横の写真です。
毛のようなパーツがついていますが、これはモヘヤシールと呼ばれるものです。
隙間を埋めてくれるものなのですが、毛ですので、とうぜん隙間はあります。
実際には扉を閉めても隙間風がスースー入ってきます。
ゴム製の気密パッキンのような性能はありません。
我が家は気密測定も行っていただきましたが、そのまま測るとC値1.4、玄関引き戸を目張りして隙間をなくすとC値0.8という結果になりました。
玄関引き戸がなければC値1.0以下の高気密住宅ですが、玄関引き戸の隙間があると気密性が一気に下がります。
意匠性、独自性が非常に高く、採光も十分でとても気にいっている玄関なだけに、この気密性の低さだけが余計に残念に感じてしまいます。
気密施工されていない玄関引き戸を入れた結果、大量の砂が浸入!
気密施工なしの玄関ですので、強風の日は砂がジャンジャン入ってくることになりました(涙)
その日は朝から強風が吹いていたのですが、会社から帰ってきてびっくり!
玄関の中が砂だらけではありませんか!
しかも玄関だけではなく、廊下やリビングのほうにまで砂が侵食してきていました。
特にひどいのが引き戸の下のところ。戸車がある分、隙間が大きく、ガンガン砂を通してしまいます。
さらに引き戸左右の側面も手を当てれば風がスースー流れるのが感じられるほどなので、かなり砂を招きいれている様子。
家の中にいても鼻と目がかゆくてしかたがないという緊急事態。
気密性をアップするために建築士さんに相談
もはや一刻の猶予も許されないということで建築士さんに相談。
気密性を上げるための追加工事を行ってもらうことになりました。
建築士さんに砂の写真を見せたところ、「これはひどいですね。すぐに対処します」
建具屋さんの話では、モヘヤシールを貼っているので、通常の家であればここまで砂は入ってこないのですが、強風が吹く地域のためにモヘヤでは十分ではないのかもという回答です。
後日、引き戸の気密性を高めるために気密パッキンを追加施工
後日気密を高めるための施工をしていただきました。
具体的には、建具屋さんがピンチブロックという気密パッキンを戸尻側に取り付けてくれました。
ピンチブロックについては【平屋の実例】ピンチブロックで引き戸の気密性を高めた結果で詳しく解説しています。
さらに引き戸の戸先側の気密性を高めるためにDIYで隙間テープを施工
上記のピンチブロックの施工で戸尻側の気密性は飛躍的に高まりましたが、戸先側の気密性は十分ではありませんでした。
そのため、自分で隙間テープなるものを貼ってみることにしました。
隙間テープについては引き戸の隙間テープの貼り方【P型、V型、D型を試した結果を解説】でご紹介しています。
引き戸の下框の対策にスーパータイトを追加施工
下框については「スーパータイト」という製品を建具屋さんに取り付けてもらいました。
スーパータイトについては【平屋の実例】ベスト社スーパータイト【引き戸の隙間を埋める】で詳しく解説しています。
さまざまな気密施工の結果、隙間風の侵入はシャットアウトできました。
さまざまな気密施工を行ったおかげで、隙間風をほぼ完全にシャットアウトできました。
砂の侵入もありません。
隙間風がなくなったことで、玄関が暖かくなったことも実感しています。
実際に計測してみたところ、室温が3℃ほど上昇しました。
室温の上昇については【平屋の実例】寒い玄関引き戸の隙間を埋める【室温3℃上昇】で解説しています。
以上、引き戸玄関のデメリットをご紹介しました。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
みなさんの家づくりの参考になれば幸いです。
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