平屋の実例

【平屋の実例】サーモスXで後悔?結露は?【APW330/430と比較】

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  • リクシルの「サーモスX」とYKKAPの「APW」シリーズを実際に使っている人から、断熱性能についての感想を聞きたい。
  • 樹脂とアルミのハイブリッド窓であるサーモスXを採用しようか迷っています。オール樹脂と比べて結露などが発生しないか心配です。

 

今日の記事はこういった疑問に答えます。

 

結論から書くと、我が家のサーモスXとAPWで致命的な性能差は感じませんでした。
ひと冬過ごしましたが、どちらも結露は発生せず快適。
実際の温度も計測してみましたが、ハイブリッド窓のサーモスXでも問題なしという印象です。

ただし、冬の夜~朝にかけての気温が0℃を下回ることが多い地域の場合は、トリプルガラスの選択が無難です。

 

本記事の内容

我が家のリクシル サーモスXとYKKAP APW430/330の温度を計測した結果をご紹介

 

私は2018年12月に平屋を新築しました。

我が家のLDKとその周辺の部屋は、以下の2メーカー・5種類の窓を採用しています。

  • リクシル サーモスX ペアガラス
  • リクシル サーモスX トリプルガラス
  • YKKAP:APW430
  • YKKAP:APW330(真空トリプルガラス)
  • YKKAP:APW330(ペアガラス)
リクシルとYKKAPという2つのメーカーの窓が入っている家はあまりないと思います。
(LDKのみサーモスXになったのは、APW330では我が家のLDKの高さに合うサイズがなかったためです)

同じ家で2つの異なるメーカーの窓を比較できる珍しい環境となったので、我が家の窓の実際の温度データを測定してみました。 

リクシル、YKKAP両メーカーの、樹脂サッシの実際の性能が気になっているかたは必見です。

リクシルの「サーモスX」は2022年春で販売終了となりました。
現在は後継機種の「ハイブリッド窓TW」にモデルチェンジ。
さらに高性能な窓に進化しています。

窓のリフォームを検討中のかたは次の記事が参考になりますよ。

 

我が家の省エネルギー地域区分は5になります

省エネルギー地域区分

最初にご説明しておくと、わが家は平成25年改正版次世代省エネルギー地域区分で5地域に属しています。

山間部に近いので、5地域の中でもやや4地域よりといったところでしょうか。

東北地方より以北ほど寒くはないですが、ひと冬に2、3回は雪が積もる場合があります。
真冬1~2月の気温は、夜から朝にかけて0℃~4℃くらいが多く、最も気温が下がる深夜には-2℃になることもあります。

首都圏よりは若干寒いくらいのイメージです。 

 

我が家のサーモスXとAPW440/330の温度を計測した結果をご紹介します

実際に窓の表面温度を計測した結果をお伝えします。

測定に使用している機器は特に校正等を行っているわけではありません。また測定そのものも素人である当ブログの管理人が行ったものですので、計測結果はあくまで参考としてご確認いただければと思います。

 

 

 

LDK、和室、ワークスペースの窓種別をご紹介

我が家のLDK、和室、ワークスペースに採用した窓は以下のとおりです。

LDKに隣接するかたちで、東側に和室、北側にワークスペース(書斎)があります。

部屋
(方角)
商品名 サイズ ガラス Low-E
(1)和室 APW330 高所用すべり出し窓 H370
W1640
トリプル 断熱
(2)和室 APW430 大開口スライディング H1953
W1640
トリプル 断熱
(3)ワークスペース APW330 すべり出し窓 H970
W1210
ペア 遮熱
⓸LDK
(南)
サーモスX 装飾引き違い窓HKK H2323
W3510
ペア 断熱
(5)LDK
(西)
サーモスX 引き違い窓 H2323
W2600×2
トリプル 遮熱

 

 

 

 

計測時の外気温は1.7℃

計測時の外気温は1.7℃、湿度は47%でした。

かなり寒いです。

窓の温度を測定したときの外気温

APW330(真空トリプル)の表面温度を測定

まずは(1)和室の高所用窓。

APW330(真空トリプル)

和室はリビングの隣です。

計測時の和室は、室温18.7℃、湿度48%でした。

室温計は椅子の高さくらいで計測しています。

 

高所用窓の表面温度を計測。
網戸が手前側についている関係から下框は測れなかったので上框を計測。

17℃ジャストでした。高い場所にある窓なので暖かい空気が上にきているおかげでしょう。

APW330(真空トリプル)の上框の温度

窓は17.5℃ありました。窓のほうが若干暖かいですね。

APW330(真空トリプル)の窓の温度

参考までに同じ高さの壁も計測。

20℃ジャスト。やはり壁のほうが暖かいですね。
でも壁の暖かさと窓は2.5℃しか違いません。さすが真空トリプルガラスですね。

APW330(真空トリプル)がある部屋の壁の温度

 

 

APW430(トリプル)の表面温度を測定

続いて高所用窓の下、(2)和室のAPW430大開口スライディングになります。

APW430(トリプルガラス)の大開口スライディング

一番冷える下框を計測。
12.4℃でした。
APW430(トリプルガラス)の大開口スライディングの下框の温度
続いて窓の部分を計測。
14.5℃でした。やはり窓のほうが暖かいですね。

APW430(トリプルガラス)の大開口スライディングの窓の温度

参考までに同じ高さくらいの壁も計測。
窓との差は2.6℃。APW430のトリプルガラスも優秀です。

APW430(トリプルガラス)の大開口スライディングのある部屋の壁の温度

APW330(ペア)の表面温度を測定

次は(3)ワークスペースのAPW330ペアガラスのすべり出し窓です。

ワークスペースはリビングの隣ですが、床下エアコンはあまり届かないので、条件をできるだけLDKと合わせるためにセラミックヒーターを足元で使いました。

計測時のワークスペースの室温は17.4℃、湿度50%でした。

APW330ペアガラスのすべり出し窓のある部屋の室温

一番冷える下框を計測。
12.1℃でした。

APW330ペアガラスのすべり出し窓の下框の温度

続いて窓。
13.3℃でした。窓のほうが暖かいですね。

APW330ペアガラスのすべり出し窓の温度

参考に壁も測ってみました。18.9℃でした。

APW330ペアガラスのすべり出し窓のある部屋の壁の温度

サーモスX(ペア)の表面温度を測定

さあ続いてLDKです。

LDKは床下エアコンの吹き出しが近いので和室より室温が少し高め。
テーブルの高さで計測したところ、室温19.4℃、湿度45%でした。

サーモスX(ペア)のある部屋の室温

まずは南側に面した装飾引き違い窓HKK。
サーモスXのペアガラスです。

リビングのサーモスX(南側)

(※窓の全景がわかるように昼間撮影した写真を使っています)

 

 

こちらも一番冷える下框を計測。
9.3℃でした。

サーモスX(ペア)の下框の温度

続いて窓の部分を計測。
13.3℃。下框に比べてだいぶ暖かいですね。

サーモスX(ペア)の窓の温度

参考に近く壁を計測しました。腰の高さくらいの場所で19.8℃でした。

サーモスX(ペア)のある部屋の壁の温度

サーモスX(トリプル)の表面温度を測定

最後はリビング西側のサーモスXトリプルガラスの引き違い窓。

リビングのサーモスX(西側)

(※窓の全景がわかるように昼間撮影した写真を使っています)

 

 

こちらも一番冷える下框を計測。
12.3℃でした。

サーモスX(トリプル)の下框の温度

窓の部分を計測。
15.0℃。やはり窓のほうが暖かいですね。

サーモスX(トリプル)の窓の温度

壁も計測。18.7℃。
窓とは3.7℃の差しかありません。さすがトリプルガラスです。

サーモスX(トリプル)の部屋の壁の温度

参考に近くの床も計測してみました。
19.3℃でした。

サーモスX(トリプル)の部屋の床の温度

(参考)アルミ製の勝手口(YKKAPのコンコード)も計測

うちはアルミサッシの窓は採用していないので、アルミサッシと樹脂サッシの比較ができないのですが、土間の勝手口のドアがYKKAPの「コンコード」のS01という製品を使っています。

真ん中にLOW-E複層ガラスを採用していて、ドアの素材はアルミになっています。
熱貫流率は4.07と、樹脂窓に比べ性能的にはだいぶ劣ります。

YKKAP コンコード WEBカタログより引用

参考までに別の日にこちらの値も計測してみました。
まず外気温は0.4℃、湿度は63%でした。朝に降った雪が残っていたので湿度は高めでした。
外気温
土間の室温は8.9℃、湿度59%でした。

土間なので空調は届かないため部屋自体が寒いです。
湿度は外に近い値になっていますね。

まずは下框。
2.6℃! キンキンです。。。

YKKAP コンコード(アルミ製)の下框の温度

続いてペアガラスの窓部分。
5.2℃。
アルミの部分よりは暖かいですが、かなり冷たいです。

YKKAP コンコード(アルミ製)の窓の温度

アルミ部分は触ると氷のよう。
室温自体が低いため結露は起きていませんが、もし他の部屋と同じく18℃くらいあったら確実に結露していますね。。。

家全体の窓がペアガラス+アルミサッシだったらと思うとゾっとします。
きっとすごく寒くて結露もひどい家になっていたでしょう。。。

サーモスXとAPW430/330の表面温度の測定結果まとめ

ということで、まとめると以下のとおりとなりました。

いずれも下框と窓を計測するまではレースカーテンと通常カーテンが閉まった状態で、計測直前にカーテンを開けて計測しています。

製品 室温(湿度) 下框
APW330
(ペア)
17.4℃(47%) 12.1℃ 13.3℃ 18.9℃
APW330
(真空トリプル)
18.7℃(48%) 17.0℃ 17.5℃ 20.0℃
APW430
(トリプル)
↑同上 12.4℃ 14.5℃ 17.1℃
サーモスX
(ペア)
19.4℃(45%) 9.3℃ 13.3℃ 19.8℃
サーモスX
(トリプル)
↑同上 12.3℃ 15.0℃ 18.7℃
(参考)アルミ製コンコードS01 8.9℃(59%) 2.6℃ 5.2℃ 未計測

 

グラフはタップで拡大できます。

サーモスXとAPWの表面温度グラフ

 

実際に計測してみた感想
  • 全体を通してやはりトリプルガラスのほうがペアガラスよりも高温でした。
  • 下框の温度が一番低かったのはリビング南側のサーモスXのペアガラスでした。
    やはりオール樹脂のAPWに比べると若干性能は劣るのかも知れません。
    室内の湿度がもう少し高くなり、かつ外気温が下がった場合は若干結露が心配になる温度差だと感じました。
  • サーモスXのトリプルガラスは非常に良い値がでました。
    オール樹脂のAPWと比較しても遜色ない性能です。
  • アルミ製の勝手口はアルミ製ですが恐ろしい冷たさでした。もし勝手口でなく暖房がきいていて室温が高いLDKなら、100%結露して、水滴が滴り落ちていたでしょう。

 

【まとめ】サーモスXとAPWのどちらも寒くなく、結露は発生しませんでした。

窓の結露

私の個人的な独断で断熱性能を5段階評価すると次のような感じです。

製品 形状 断熱性 結露のしにくさ
APW330
(ペア)
すべり出し
APW330
(真空トリプル)
すべり出し
APW430
(トリプル)
スライディング
サーモスX
(ペア)
引き違い
サーモスX
(トリプル)
引き違い
(参考)アルミ製コンコードS01 引き戸

 

実際にひと冬過ごしてみても、サーモスX,APWのどちらの窓も結露は発生しませんでした。

ここまで書いてきたように、樹脂サッシの威力は絶大でした。
一度その素晴らしさを味わった身としては、アルミサッシのあの冷たさには絶対に戻れないです。

これから家を新築されるかた、あるいは窓のリフォームを考えているかたにも、サーモスXとAPW、どちらも安心してお使いいただけると思います。

ただ、1点だけ、外気温が0℃を下回ることが多い地域の場合は、トリプルガラスの製品を採用したほうが無難だと思います。
トリプルであれば、メーカーはYKKAPでもリクシルでもどちらでもOKという感じです。

選ぶ基準ですが、私個人の感想では断熱性能や気密性能で選ぶならAPW、フレームの細さなどデザイン性で選ぶならサーモスX(できればトリプルガラス)がおすすめです。

樹脂窓を採用して、暑さ寒さに悩まされない家づくりを!

窓のリフォームを検討中のかたは次の記事が参考になりますよ。

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本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

みなさんの後悔のない家づくりの参考になれば幸いです。