- キッチンの吊戸棚って必要ですか?
今日の記事はこういった疑問に答えます。
【平屋の実例】キッチン吊戸棚はいらない【理由は3つ】
結論から言うと、まったく必要なし。
理由は、あっても使わないからです。
どうしても欲しくなったら、その時に後付けで十分です。
- キッチンに吊戸棚がいらない理由
私は2018年に平屋を新築しました。
我が家はアイランドキッチンで、背面に収納があります。
当初の建築プランでは吊戸棚がありました。
しかし減額の見直しで吊戸棚は削除しました。
今は吊戸棚がないキッチンを毎日使っていますが、特に不便は感じていません。
今日の記事ではキッチンに吊戸棚がなくても大丈夫な理由を深堀りします。
キッチンに吊戸棚がいらない理由
キッチンに吊戸棚がいらない理由は以下3点です。
- 使いにくいので結局あまり使わなくなる
- 部屋が狭く感じる
- 収納を増やした分だけ物が増える危険性がある
(1)使いにくいので結局あまり使わなくなる
吊戸棚は使いにくい。
それが一番の理由です。
踏み台を使わないと物が取れないような収納は、最初は使うかも知れませんが、だんだん使いにくく感じ、敬遠されるようになります。
私も建築プランの最初では吊戸棚を付ける予定でした。
しかし最終見積りでは省いた経緯があります。
我が家の建築がちょうど始まるころ、同じ建築士さんが設計した別の家のオープンハウスに行った時です。
キッチンは確かTOTOだったと思います。
その家はキッチンに吊戸棚がありました。
わりと広めのキッチンで、収納は十分そろっているように感じました。
「吊戸棚まであってすごい収納がたくさんですね。うちもやっぱり吊戸棚あったほうがよかったですかね・・・」と建築士さんに声をかけました。
答えは、「たぶん・・・使わないですよ」でした。
今までたくさん吊戸棚のある家も作ってきましたが、実際にあとで家にお邪魔すると、使われていないことがほとんどだったそうです。
ではどうして、使わないかも知れない吊戸棚をみんな付けたがるのか?
吊戸棚を付ける人の90%くらいは、「収納が足りるか心配だから、もともと余っている空間だし、吊戸棚付けておいて損はないよね」と考えるからだと思います。
私も「とりあえずあったほうがいいよね」くらいの感じで吊戸棚をつけてもらうよう要望していたことに途中で気付きました。
確かにキッチンの天井までのスペースは空いていることが多いです。
そこを有効活用する意味では吊戸棚は適切な気がしてしまいます。
しかしながら、私が実際に家を建ててみて心底感じるのは、使いやすい収納スペースというのは、適切な場所に適切な大きさの収納があるかどうかがすべて、だということです。
我が家は収納の大きさよりも、後付けではなく、適切な場所に、最初から適した収納があることを最優先でプランニングしました。
例えば、勝手口を入ったところの土間収納とパントリー、二か所からアクセスできる玄関収納などを作りました。
実際に住んでみて毎日思うのは、適切な場所に適したカタチの収納があるって本当に便利だな、ということです。
一番使うであろう場所に、置く物に適したカタチの収納を設けると、使用頻度が非常に高く、なくてはならないスペースになります。
必要な物がすぐに見つかるのでストレスもありません。
吊戸棚が果たして「適切な場所」なのか。
元々必要のない場所になんとなく収納を作っても、それは空間とお金の無駄遣いです。
とまあ、これだけでは具体性がありません。
ですので我が家のキッチン収納の大きさがどのくらいかをご紹介します。
まずはキッチンの背面収納。
引き出しが7個だけです。
アイランドキッチンの収納です。
収納としては赤で囲ったところだけです。
以上、大きく分けて二か所に、以下の物を収めていますが、特に収納が足りないと感じたことはありません。
- お皿、食器類
- 鍋、フライパンなど
- 調味料、ふりかけ、海苔など
- 包丁
- ゴミ袋や食器洗い洗剤のストックなど
シンクの下はまるまる空洞にしたこともあり、戸建てのキッチンの収納スペースとしては大きい部類ではないと思いますが、それでも十分に機能しています。
これ以上大きくても余計な物を貯め込むだけでかえって機能性が落ちそうです。
このくらいの収納があれば吊戸棚はいらない、という実例として参考にしてもらえればうれしいです。
部屋が狭く感じる
2つ目の理由は部屋が狭く感じるからです。
天井から降りてきているものは、非常に圧迫感が出ます。
背の高い家具を置くと、部屋が一気に狭くなったように感じますよね。
家を広く見せるコツは、できるだけ背の高い家具を置かないことです。
我が家はLDKの天井は高くしたかったので、勾配天井にしてもらいもらいました。
今思えば、もし吊戸棚をつけていたらせっかくの勾配天井の解放感が薄れてしまっていたと思います。
頻繁に使うかどうかもわからないうえに、空間まで圧迫する可能性が高い吊戸棚はなくてもいいと思います。
「余っている空間だから収納を設けよう」と思った時に、解放感という要素を犠牲にしていないか、ちょっとだけ立ち止まってみてください。
収納を増やした分だけ物が増える危険性がある
3つ目の理由は、収納はあればあったぶんだけ人間はその空間を埋めようとしてしまうことです。
吊戸棚というより収納全体に言えることかと思います。
収納が余計にあると、使わないようなものまでとりあえずとっておきたい気分になり、結果、物を捨てなくなるのです。
多いパターンが、捨てるのも面倒だからとりあえずしまっておくか、、、と、その場でこの物が今後も必要かどうか考えることをやめてしまうケースです。
結果的にどんどん納戸やクローゼットに物を押し込んでいってしまい、最終的には何をどこにしまったのかわからなくなります。
結局そのまま放置する。
また、ある時にそれらを取り出そうとしても物が詰まっていて出しにくいし、そもそもどこにあるかわからない・・・。
あなたもそんな経験がないでしょうか?
実際私もアパートから新居に引っ越す時、いざ収納の中を全部だしてみると、こんなのまだ取ってあったの!と驚きました。
新居に引っ越したのに、生活に必要な最低限の物ですら家の中にあふれてしまうようでは問題です。
それは建築プランが甘かったと言わざる負えません。
そうではなくて、生活に必要な物が十分に収まるスペースはあるよ、というのであれば、それ以上に余計なスペースは作る必要性はまったくないと思います。
※ここでいう必要最低限のものには、子どものおもちゃなど一時的にスペースが必要だが将来的には必要なくなるものは含みません。それらはカゴやラックにしまって対処するので十分です。
余計な収納スペースがなければ、人はその場で立ち止まって考えるようになります。
「この物はこれから先も必要だろうか?」
「もし必要なら、他のいらない物を断捨離してスペースを作ろか」
余計な収納スペースを設けないことで絶対に使わないような物を貯め込むことがなくなります。
本当に使う物だけが適切な場所に収納されるようになると、物を探すストレスから解放され、脳のメモリを浪費しなくなるので、思考と行動がクリアになります。
(まとめ)収納は大きさよりも、適切な場所に作ることが重要です
今日の記事をまとめます。
- 収納の大原則は、適切な場所に適切な大きさで作ること。
使いにくい場所に収納を作ってもそれは空間とお金の無駄遣いです。
吊戸棚は適切な場所であるとは考えにくく、無駄になるリスクが高い買い物です。 - 吊戸棚は高い位置にあり、視線を遮るため部屋を狭くみせる効果が抜群です。
狭い部屋感がいい、という人は別ですが、解放感を大事にするなら付けないほうが良いと思います。
余っている空間は「余白」として残すという選択肢もあるのです。 - 余計な収納スペースがあると人は限界まで物を貯めこもうとしてしまいます。
これから先使わないような物までずっと保管しておくのは無駄の最たるものです。
とりあえずしまっておく、ではなくて、物が増えるたびに立ち止まってこの先も必要かどうかを考えましょう。 - 吊戸棚は後付けも可能です。
もしどうしても収納スペースが足りない!となったら、その時はじめて吊戸棚を付ける、という選択をすればいいでしょう。
必要性に迫られての選択であれば、おそらく無駄にはならないからです。
収納はなんでもかんでもつければいい、ということではないことが、吊戸棚を付けないという選択をしてみてよくわかりました。
収納は適材適所に必要な分だけ作るようにしてむやみに多くしないのが、すっきりシンプルに暮らすコツです。
物が少ない家は、自然に時短へと近づきます。
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本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
みなさんの家づくりの参考になれば幸いです。
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