平屋の実例

【平屋の実例】納戸【ファミリークローゼットはいらなかった理由】

【平屋の実例】納戸【ファミリークローゼットはいらなかった理由】
記事内に広告を含みます
  • 平屋の納戸(ウォークインクローゼット)の実例を見てみたい。

 

今日の記事はこういった疑問に答えます。

 

 

 

本記事の内容
  • 平屋の納戸(3畳)のレビュー
  • ファミリークローゼットはいらないと考えた理由
  • 夫婦の納戸は独立させたほうがいい理由
  • 平屋のロフト収納、屋根裏収納の必要性
  • 平屋の理想的な収納計画

 

私は2018年に平屋を新築しました。

当初の計画では納戸は独立していたのですが、減額の都合上、主寝室内に納戸を設けることになりました。

また、子ども用のクローゼットは最初から子ども部屋に備え付けました。いわゆるファミリークローゼットは作りませんでした。

実際に住んでみると、子ども部屋のクローゼットは成功しましたが、夫婦の納戸は独立させたほうが良かった、と少し後悔しています。

今日の記事では我が家の納戸をご紹介します。

これから家を建てるかたの収納計画の参考になれば嬉しいです。

平屋の納戸(3畳)のレビュー

私達の平屋の納戸をご紹介します。

 

納戸の間取り図

納戸(ウォークスルークローゼット)の写真 納戸の間取り図

間取り図です。

  • 約3畳の空間です。
  • 引き戸(ラフィス)の入口
  • 縦すべり出し窓(APW430)
  • 床材は他と同じく無垢材のナラを使用しています。

いわゆるウォークインクローゼットとなっており、通路の左右は棚とパイプ吊りハンガーがあります。
(写真では向かって右側にはパイプ吊りハンガーがついていませんが、ちょっとした都合で引き渡しのタイミングに間に合わなかっただけです)

 

建築が始まってから修正した点がありまして、赤枠の部分に棚板を追加してもらいました。
ですので実際にはコの字のような棚になっています。

納戸の間取り図2
理由は単純で、できるだけデッドスペースを活かして収納力を確保したかったからです。

左右の棚をつなげることでデッドスペースを有効活用できました。

 

夏場は使わない羽毛布団なども、この棚の上に収納しています。
上の棚の3分の1程度の面積があれば、家族4名分の布団などを十分しまうことができますね。

基本的に納戸は夫婦用

子ども部屋にそれぞれクローゼットをつけたので、納戸は原則として夫婦の衣服を保管する場所になっています。

いわゆる「ファミリークローゼット」は作らなかったのですが、その理由は後述します。

夫婦二人用であれば、サイズ的には3畳あればまあ十分ですね。

 

 

納戸の窓はAPW430の縦すべり出し窓

納戸の窓(APW430)

納戸の明り取りと換気用窓は、APW430の縦すべり出し窓です。

納戸の窓の仕様と価格は以下の表のとおりです。

種別 サイズ 製品名 ガラス Low-E 購入価格
縦すべり出し窓 W405×H770 APW430 トリプルガラス(型) 遮熱Low-E 33,000円
北側に面した窓のため断熱性を優先してAPW430+遮熱Low-Eです。型ガラスのため外から中は見えないです。

納戸に風を通したい時にたまに開けます。

大きなサイズではないですが、納戸へ十分な光を届けてくれています。

 

扉付きの可動棚

納戸の可動棚の展開図

わが家の納戸のちょっとだけ変わった部分は、扉付きの可動棚があることです。

棚板5枚入れられる可動棚になっています。

 

これは妻のリクエストでつけました。
鍵付きの扉なので、子どもに触られては困るようなものもここに入れておけば安心です。

 

 

納戸の照明はダウンライト2個

納戸の照明

照明はシンプルにダウンライト2個になります。
3畳程度であれば2個で十分ですね。

製品はパナソニックのLGB72326LE1になります。
電球色だと納戸で使うには暗いので、明るい昼白色です。

LGB72326LE1

納戸(ウォークインクローゼット)は意外に光量が必要です。

納戸には電球色でなく昼白色をおすすめします。

 

 

納戸のコンセントは奥側に2口

コンセントは奥側に2口つけました。

いまのところコンセントを使う場面はありません。
ここにはコンセントはいらなかったかもしれません。

少し高い位置につけてもらったので、例えば掃除機などのコンセントなどは差しやすいですね。

 

 

納戸入口には引き戸をつけました

寝室の立面図

納戸の入口には引き戸をつけてもらいました。

リクシルの天吊り引き戸のラフィスになります。

衣服の臭いが寝室側に入ってくるのが嫌という妻のリクエストです。

私は臭いについては気になりませんが、閉めると見た目がとてもスッキリするので引き戸はつけて正解でした。

あとはこの引き戸がないと、納戸の窓からの光が寝室に入ってきてしまうため、やはり引き戸はあって良かったと考えています。

ラフィスについては【リクシルハイドア】上吊り引き戸ラフィスの4つのメリットで解説しています。

ファミリークローゼットがいらないと考える理由

妻の意見もあり、家族全員の衣服を一カ所に集めるいわゆる「ファミリークローゼット」は作りませんでした。

理由としては、使いやすい収納のポイントは「適材適所」であると考えるからです。

大きな収納部屋ではなく、適材適所がよいと考える理由

我が家の収納は大きくわけて以下の箇所にあります。

  • この記事で紹介している夫婦の納戸
  • 子ども部屋のクローゼット
  • 和室の押入れ
  • 脱衣室の引き出し収納
  • 玄関収納
  • 土間収納(パントリー)
  • ワークスペース(書斎)の本棚
  • アイランドキッチンの収納

わりと細かく分かれていますが、全ては「適材適所」の思想があるからです。

収納は適した場所にあってこそ使い勝手が良い。
ただ大きな倉庫のような部屋を用意してそこに物を集めることは生活動線上、使いにくいと考えました。

ですので我が家はファミリークローゼットは設けませんでした。

 

上記の収納スペースのうち、主に衣服をしまう収納は以下の3か所です。

  • 夫婦の納戸
  • 子ども部屋のクローゼット
  • 脱衣所の引き出し収納

特に2か所の子ども部屋にそれぞれクローゼットを設けた点がポイントです。

子ども部屋にクローゼットを設けたわけ

子ども部屋の間取りです。

真ん中は仕切られていて、それぞれの部屋の右上がクローゼットです。

ファミリークローゼットではなく子ども部屋に収納を設けたのは以下の理由からです。

  • 衣服以外の物も収納するため
  • 自分の物は自分できちんと管理してほしかったため

ご覧のとおり子ども部屋は4畳半のスペースに収納まで入れているので、本当に最小限の広さになります。
そのため、子ども部屋には机とベッドを置くと空きスペース、空いている壁はありません。
あとから棚などの家具を追加することはできないため、必然的にクローゼットは、衣服だけでなく、そのほかの物も収納することになります。

比較的大き目なクローゼットがあることで、狭い部屋でも収納空間を設けることができ、全体的な使い勝手はあまり落とさずに、最小面積の子ども部屋を作ることができました。

また、子どもには自分のものは自分できちんと管理する習慣をつけてほしかったというのもあります。
自分の部屋に専用のクローゼットがあれば、自分だけの空間として、自分で工夫するしかなくなります。
きちんと整理整頓しないと使いづらくなって困るのは自分、ため込みすぎるてスペースがなくなっても困るのは自分というわけです。

子どもが身の回りの物を不必要に増やしすぎない、きちんと整理整頓する癖をつけるには、自分の責任において管理する収納を与えるのが一番かなと考えました。

 

子ども部屋については【平屋の実例】最初から間仕切りした子ども部屋【4.5畳×2部屋】で解説しています。

夫婦の納戸は独立させたほうがよかった理由

朝晩など、夫婦や家族の活動時間帯が食い違うと問題が起きます。

我が家の主寝室と納戸の配置

図のような間取りです。

一見するとよくある間取りですが、問題がありました。

子どもが起きてしまいそうで納戸に物を取りに行けない

納戸に行くには必ず寝室を通らなければならない間取りになっているのはおわかりいただけると思います。

 

昼間は特に問題はないのですが、問題は朝晩です。

今ですと、例えば妻と1歳の次男が主寝室で寝ています。

朝起きるのは私が一番早いのですが、いざ着替えを取りに行こうとしても、妻と子どもがまだ寝ているので納戸に行くことができません。

物理的には行くことができますが、もし妻と子どもを起こしてしまったらどうしようと考えると、引き戸を2か所開けて納戸にたどり着き、物音を建てて探し物をするのは、どうしても気が引けます。

これは小さいお子さんをお持ちのかたであればおわかりいただけると思います。

夫婦だけの場合でも生活時間帯が食い違うと納戸に物を取りに行けない

さきほどは小さな子どもを例にしましたが、これは夫婦二人の場合でも同じような問題が起きる可能性はあるわけです。

例えば夫、もしくは妻の仕事の時間が、どちらかが極端に早い、あるいは遅いといった場合には、どちらかが寝室で寝ている時に、どちらかが納戸で着替えを探す、なんてシチュエーションはいくらでもありそうです。

夫婦のどちらかが疲れていて眠い時に、納戸でガサゴソするのはスマートではありません。

静かにゆっくり寝かせてあげたい時にはできるだけ寝室の近くで物音はたてたくないものです。

夫婦の納戸は独立させたほうがいい

ということで夫婦の納戸が寝室と同じ部屋にあることは、はっきり言っておすすめしません。

「着替えなら、あらかじめ脱衣所などに前日から用意しておけばいいでしょう」という意見もあるでしょう。

でも実際に暮らしてみると、そういえばあれも出しておくの忘れた、と朝になって気づき、納戸に探しにいくはめになる、といったことはよくあるのです。

または洗濯が終わったタイミングで納戸に服を置きにいく場合にも、同様の問題が起きる可能性があります。

自分の好きなタイミングで、人のことを気にして物を取りに行けない(しまいにいけない)、というのは思っているよりもストレスになり、生活のリズムを崩します。

最終的には、納戸そのものの利用価値、使用頻度が下がってしまいます。
適材適所に収納が必要である、と考える理由はここにあります。

せっかく収納スペースを設けても、使い勝手が悪く十分に活用できないのであれば、それは建築費の無駄使いといっていいでしょう。

建築前に戻れるのなら、当初の予定通り、夫婦の納戸は寝室からは絶対に独立させるでしょう。減額するとしても、別のところでなんとか予算をひねり出したと思います。

しかも独立させた場所は、洗濯した衣服をしまいやすいように、脱衣所、外物干しから最短の距離に作ります。

後悔先に立たず。

残念ですが我が家の納戸はわずかなストレスをずっと抱え込むことになりました。

平屋のロフト収納、屋根裏収納の必要性を考える

平屋に階段が必要な収納を設けたら本末転倒ではないかと考えました。
なんでもつっこめる広大な収納スペースは一見便利ですが、リスクもあります。

私は、屋根裏収納はいらない派です

我が家も最初、屋根付き駐車場の上のスペースにはしごで上るロフト収納を設ける予定でした。

でも結局やめました。

それは妻の意見を尊重したからです。

「はしごとか階段とかつけたら子どもも危ないし、せっかく平屋にした意味がないよね」

確かにそのとおりと思いました。

階段を上る生活が嫌だから平屋にしたのに、天井裏に空間が余っているからといって安易に収納を設けるのはどうなのって話です。

 

固定階段をつけた中2階のような収納部屋がある平屋のプランも見かけますが、階段は掃除も大変ですし、平屋のメリットが損なわれるのでおすすめしません。

人間の特性としてスペースがあると埋めたくなる

安易になんでもつっこめる大きな収納スペースを作らないのは、スペースがあると限界まで物で埋め尽くしたくなるのが人間だからです。

なんでもとりあえずつっこんで置けるスペースがあると、本当に文字通り、いらないものまでなんでもつっこんでしまうようになります。

物のいる、いらないの分別をする能力が衰えるのですね。

結果的に、開かずの間のようになり、特に奥のほうには何年も使わないゴミがたまりだします。

掃除してみたらこんなものもあったのか、と自分でもびっくりするくらいでしょう。

 

空いているスペースがあるとゴミをためてしまうのは、過去の自分でも経験があります。

そして実家なども見ていると、まさにそう。

最初は収納スペースに余裕があり、スッキリ気持ちよく暮らそうと思っていたのに、不思議と収納を埋めつくすまで物が収まっていきます。

 

逆に収納スペースがある程度満タンになると、それ以上不思議と物が増えなくなります。

スペースがないから無意識に物を詰め込むのをやめるのですね。

あるいは収納スペースの不要品を捨てるようになります。

 

結局人間はどこまでいっても環境に支配される動物です。

物が少ないスッキリした生活をこころがけたいのであれば、安易に収納スペースを増やしすぎないことが重要だと今までの40数年の人生経験から痛感しています。

適切な場所に、置く物に合わせた最小限の量の収納だけを設けること。

逆説的に聞こえるかも知れませんが、物が散らからないための真実です。

現代はもう物は十分すぎるほどあります。シェアエコノミー、断捨離、ミニマリストなどのキーワードは、物を所有しない時代であることを物語っています。

どうしても収納が増やしたければ外物置のほうが平屋には適しています

室内の収納は適材適所にある程度設けたつもりですし、それでもどうしても追加の収納が必要になったら、外物置をおけば良いと考えます。

我が家は軒も長く出しているので、外物置を置いても雨のダメージをうけにくい構造です。

日射遮蔽、外壁の傷みを抑えるという効果もあるので、平屋を建てるのであれば軒は出しておいたほうが得策です。

外物置であれば平屋の最大のメリットである「平面の暮らし」をキープできます。

収納を増やしたいがために、平屋の最大のメリットを安易に手放すことがないようにしたいものです。

軒については【平屋の実例】夏涼しく冬暖かい家の作り方【軒がポイント】で解説しています。

平屋の理想的な収納計画

ここまでの話をまとめると以下のとおりとなります。

  1. 夫婦のクローゼット、納戸は、個室からは独立させて単独のスペースとする
  2. 夫婦のクローゼット、納戸は、洗濯動線である脱衣所や外物干し場などの近くに設置する
  3. 子ども部屋の収納は個室にそれぞれクローゼットをつける
  4. ロフト収納、屋根裏収納は設けない
  5. どうしても収納が足りないなら外物置を追加する

このうち(1)と(2)は実現できませんでした。

なんとも悔やまれますが致命的な暮らしにくさとはなっていませんので、いたしかたないところです。

【まとめ】収納は適材適所で必要なぶんだけ設けましょう

今日の記事をまとめます。

まとめ
  • 夫婦用としては3畳の納戸で十分なスペースを確保できました。
  • 棚板はあえてコの字型にしてもらい、デッドスペースをうまく活用しました。
  • 鍵付き扉の可動棚をつけました。大切なものをしまうのに重宝します。
  • 換気用窓はAPW430です。明り取りとしも機能しています。
  • 基本的には大きな収納スペースを設けずに、適材適所に収納を配置するのがおすすめ。
    不必要なものを貯め込まずスッキリ暮らしたいなら、安易に収納を作りすぎないようにしましょう。
  • 子どもに整理整頓、物のいるいらないを判断する能力を身につけさせたいなら、個室に収納を用意して責任を持たせるのがよいと考えます。
    またあまり快適すぎる空間を与えすぎないほうが子どもの成長にもつながると考えます。
  • 夫婦の生活時間帯が食い違うことは多々あります。
    安易に主寝室に納戸を取り入れてしまうと、好きなタイミングで活用できないことがあります。
    納戸は独立させることをおすすめします。書斎コーナーを主寝室に設けるのも同様の理由でおすすめしません。
  • 夫婦の納戸を独立させた場合、その場所は、洗濯動線の近くが理想です。
    例えば洗濯機のある脱衣所、あるいは外物干し場の近くにあると、洗濯した衣服をしまう労力が大幅に減ります。
  • 収納スペースが欲しいからといって、安易に屋根裏収納などを追加するのはおすすめしません。特に平屋の場合はメリットが薄れてしまいます。
    屋根裏収納は上り下りが危険ですし、使い勝手もそれほどよくはないので、よく検討してから作ることをおすすめします。
    平屋で収納が足りないなら外物置のほうが理にかなっています。

夫婦の納戸を寝室から独立させなかったのは、我が家の後悔・失敗ポイントです。

室内物干しサンルームを作れなかったことに比べればまだダメージは少ないですが、もう少し考えれば改善する余地はあったので悔やまれます。

いくら大きなスペースがあっても、それが適所になければ使い勝手はガタ落ちです。

適した場所に適した収納を用意するのは、間取り計画の最重要ポイントといっていいでしょう。
我が家のような後悔がないように慎重に検討されることをおすすめします。

平屋のカタログをサクっと集めたいかたは次の記事が参考になりますよ。

ウォークインクローゼットのある平屋間取り集

ウォークインクローゼットのある平屋間取り集

ウォークインクローゼットのある平屋間取りの具体例をもっとを知りたくありませんか?

そんなあなたのために、全国のハウスメーカー、工務店が提案する、ウォークインクローゼットのある平屋間取り集を作ってみました。

詳細はウォークインクローゼットのある平屋間取り図107選!で解説しています。

わが家と同じくウォークインクローゼットのある平屋を建てたいかたは、ぜひ参考にしてください

関連記事

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

みなさんの家づくりの参考になれば幸いです。