- 「床下エアコン」と「床暖房」の違いを知りたい。
- 「床暖房」じゃなくて「床下エアコン」にしても後悔しない?
今日の記事はこういった疑問に答えます。
結論から言うと、床下エアコンと床暖房は、まったく異なる暖房方式なので、そもそも比較すべきではないです。
まったく別物ということを念頭に置いたうえで、床下エアコンには、床暖房に比べて以下4点のメリットがあります。
床下エアコンには、床暖房に比べて以下3点のデメリットがあります。
床暖房と床下エアコンの違い
私は2018年12月に平屋を新築しました。
LDKの暖房には「床下エアコン」を採用しました。
最初、わが家は、妻が「絶対床暖房いれたい!」と強く要望していたため、床暖房を検討していたのです。
妻の実家に床暖房が入っていたことが大きな理由となります。
ということで、今の平屋を建てる際に、ダイキンの温水式床暖房で見積りましたが、イニシャルコストとランニングコストが高い!
けっきょく、建築士さんの提案もあって床下エアコンに変更しました。
もし寒かったら床暖房にしておけばよかった・・・と後悔したと思いますが、わが家の場合は床下エアコンで大成功。後悔はありません。
今日の記事では私達の平屋に導入した「床下エアコン」と、「床暖房」を比較した結果わかったメリット・デメリットを深掘りします。
これから家を建てる予定のかたで、床下エアコンに興味があるかたは必見です。
床暖房と床下エアコンの違い【床下エアコンのメリット】
床下エアコンには、床暖房に比べて以下4点のメリットがあります。
イニシャルコストが安い
床下エアコンはエアコン1台を設置するだけで済みます。
しかもエアコンは特殊なものである必要はありません。
わが家のように床置形にしたり、設置方法を工夫すれば壁掛けエアコンでももちろん可能です。
我が家の場合は床暖房の4分の1以下のイニシャルコストで済みました。
床暖房をやめたおかげで40万円以上の減額となり、予算を他へまわすことができました。
ランニングコストが安い
ランニングコストも床暖房よりも経済的です。
以下は価格.comさんのサイトの「床暖房の電気代っていくら? 導入検討は電気代の徹底比較から」から引用させていただきました。
比較的電気代が安いと言われているヒートポンプ式床暖房でも、一か月あたり1,000円程度、エアコンよりも高いという試算データです。
電気代はエアコンの方がお得
7~10畳の部屋に適する冷房能力が2.5kWのエアコンの冬季暖房時の消費電力量は602kWh。このデータを基に、1時間当たりの消費電力量と電気代を比較してみましょう。
※消費電力量は資源エネルギー庁の「省エネ性能カタログ2015年冬版」を参照試算の前提
- エアコンの冷房能力:7~10畳の部屋に適する2.5kW
- エアコンの設定温度:20度
- 1日の使用時間:18時間(6:00~24:00)
- 1か月の日数:31日
- 5.5か月(10月28日~4月14日)
- 1kWhあたりの電気代は27円(以下の電気代の計算も同様)
以上の条件で使用した場合、暖房時の消費電力量を602kWhとすると、
5.5か月の電気代は 602kWh×27円=16,254円
1か月当たりの電気代は 16,254円÷5.5か月=2,955円
電気式の床暖房であれば6畳間に、温水式であれば8畳間に相当する電気代になります。
エアコン 7~10畳用 2,955円/月 ヒートポンプ式 床暖房 10畳 3,900円/月 電気式 床暖房 10畳 3,900~8,500円/月 出典:価格.com 床暖房の電気代っていくら? 導入検討は電気代の徹底比較から
修理費が安い
万が一故障した場合、床暖房は修理が大変です。
液漏れなどの場合は最悪床材をはがすことになるかも知れません。
床暖房は、床そのものに温水などを通すため、メンテナンスが必要になった場合にはある程度苦労しそうという点は想像に難くないと思います。
その点、床下エアコンであれば、通常のエアコンの故障と同じですので、修理も容易です。なんなら10~20年に一度は、より省エネ性能が向上した新機種のエアコンにまるごと交換してもいいかも知れません。
床材を選ばない
床暖房の場合は、直接床材に熱が加わるため、使用できない素材があります。
その点、床下エアコンであれば、直接床を暖めるわけではないので、床材の選択は自由です。
床暖房と床下エアコンの違い【床下エアコンのデメリット】
床下エアコンには、床暖房に比べて以下3点のデメリットがあります。
床そのものがポカポカに暖まるわけではない
非常に勘違いしている人が多いのですが、床下エアコンは床そのものがポカポカと暖まるわけではないです。
その点、ピンポイントで床そのものが暖かくなる床暖房とはまったくの別物です。
床下エアコンを入れたからといって、床が直接暖まるわけではないです。
ほんのり暖かい程度、ということになります。
ただ、かなり高い設定温度で24時間床下エアコンをまわしっぱなしにした場合は、床そのものがかなり暖かくなるはずです。
というのも、私は過去に、24時間まわしっぱなしの床下エアコンのモデルハウスを見学したことがありますが、実際に床がまるで床暖房のように暖かかったからです。
おそらく長時間にわたり床下に暖房を送り続けているおかげで、基礎のコンクリートが十分に蓄熱された結果だと思います。
わが家の場合は、24時間運転はしていませんので、床そのものがポカポカする、という経験はないです。
いずれにしても床そのものがすぐにポカポカになる床暖房とはまったく異なる方式だということは認識しておくべきです。
ちなみに、アトピー性皮膚炎など、皮膚疾患をお持ちのかたは電気式の床暖房はやめた方が良いです。息子がアトピーで皮膚科の先生に相談したところ、電気式の床暖房や暖房カーペットは絶対に使わないでと念を押されました。皮膚が乾燥しやすく病状が悪化する可能性が高いため、NGということでした。
狙った場所をピンポイントで暖めることはできない
下図はダイキンさんの床暖房サイトから引用させていただいた画像です。
床暖房の特徴として、エリアを分けることが可能で、ピンポイントで狙った場所だけを暖めることができる点があげられます。
人がいる場所だけを運転するなど、細かい調整が可能な点は、床暖房のメリットです。
床下エアコンは部屋全体、場合によっては家全体を暖める暖房のため、まったく性質が異なることがわかると思います。
基礎断熱、高気密高断熱の家が必要
床下エアコンは基礎断熱であることがまず必要で、さらに十分に機能させるためには高気密高断熱の家が必要になります。
家づくりの最初から綿密に計算しておかないと実現できない暖房で、採用できるハウスメーカーや工務店が限られることになります。
その点、床暖房であれば基本的にはどんな家も採用可能です。
なんなら、ある程度の大規模工事にはなりますが、リフォームで後付けも不可能ではありません。
【まとめ】床暖房ではなく、床下エアコンにしてもわが家は後悔は一切ありませんでした
床下エアコンと床暖房は名前は似ている感じですが、まったく異なる暖房だということがわかったかと思います。
- 予算が潤沢にあり、修理費、電気代などのランニングコストも気にしない、というかたは床暖房を選択されるほうが無難です。
- 基礎断熱、高気密高断熱の家を建てる予定で、床下からジワジワ部屋全体、家全体を暖める環境を手に入れたいなら床下エアコンは非常におすすめになります。
そもそもの目的が全くことなる暖房だということを認識したうえで、自分達の要望に叶った方式を採用してみてください。
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