平屋の新築を考えていますが、土地は広くないとダメでしょうか?
今日の記事はこういった疑問に答えます。
私は2018年12月に平屋を新築しました。
快適に暮らせる平屋ですが、基本的には2階建てよりも広い土地が必要になります。
家族4人で暮らすなら、理想は35坪くらいの広さの平屋は建てたいところ。
となると、70坪くらいの土地が必要になってきます。
本記事では、平屋を建てる時の必要な土地の広さを解説し、最後におすすめの土地探し方法をご紹介します。
戸建て平屋を検討中で、土地探しから始める予定のかたは必見です。
平屋を建てるなら土地はどのくらい必要か?
平屋はすべての部屋を1階に詰め込むわけなので、どうしても広めの土地が必要になります。
平屋は2階建てに比べて広めの土地が必要
例えば建蔽率50%の地域に平屋を建てる場合は、以下のとおりの広さの土地が必要になってきます。
平屋住宅の延床面積 | 土地の広さ |
---|---|
20坪 | 40坪 |
30坪 | 60坪 |
40坪 | 80坪 |
単純に考えると、2階建てであれば、延床面積は同じでも、土地の広さは5~7割程度の広さで済むわけです。
極端な例ですが、東京都世田谷区の場合、一坪の平均単価は約240万円ほど。
都心だと坪単価7桁が普通です。
もちろん、あなたの予算によるわけですが、さすがに坪単価7桁の土地を新規で買える人はよほど限られているでしょう。
土地が高い地域で、広めの土地を購入するのは非常にハードルが高いです。
ということは、ある程度ゆとりを持った広さの平屋を建てたい場合には、やはり、郊外や田舎など、土地の値段が安い地域を狙ったほうが現実的。
例えば私は畑を農地転用で譲ってもらいましたが、坪単価は5桁です。
同じ地域の土地相場も、坪4~6万円程度。
都会のかたからは信じられないような価格で、良質な土地が手に入ります。
家族4人で暮らすなら、35坪前後の平屋が理想的
「誘導居住面積水準」をご存じでしょうか?
国土交通省のサイトに以下の記載があります。
誘導居住面積水準は、世帯人数に応じて、豊かな住生活の実現の前提として多様なライフスタイルに対応するために必要と考えられる住宅の面積に関する水準であり、都市の郊外及び都市部以外の一般地域における戸建住宅居住を想定した一般型誘導居住面積水準と、都市の中心及びその周辺における共同住宅居住を想定した都市居住型誘導居住面積水準からなる。
その面積(住戸専用面積・壁芯)は、別紙1の住宅性能水準の基本的機能注を満たすことを前提に、以下のとおりとする。(1)一般型誘導居住面積水準
1) 単身者55m2
2) 2人以上の世帯25m2×世帯人数+25m2(2)都市居住型誘導居住面積水準
1) 単身者40m2
2) 2人以上の世帯20m2×世帯人数+15m2注1 上記の式における世帯人数は、3歳未満の者は0.25人、3歳以上6歳未満の者は0.5人、6歳以上10歳未満の者は0.75人として算定する。ただし、これらにより算定された世帯人数が2人に満たない場合は2人とする。
2 世帯人数(注1の適用がある場合には適用後の世帯人数)が4人を超える場合は、上記の面積から5%を控除する。
3 次の場合には、上記の面積によらないことができる。出典:国土交通省ウェブサイト
「誘導居住面積水準」とは、豊かな住生活を送るために必要と考えられる住宅面積のことで、平成23年3月15日に閣議決定しています。
例えば家族4人(夫婦二人、子ども二人)の「誘導居住面積水準」を計算すると、
25m2×4+25m2 =125m2
となります。
さらに世帯人数が4人を超える場合には、5%の面積を控除することになっていますので、5%をカットした118.75m2が、「誘導居住面積水準」が示す4人家族が郊外で快適に暮らせる面積となります。
118.75m2は、約36坪ですので、4人家族で快適に暮らす平屋を建てるには、だいたい35坪くらいを目指すと良さそうです。
私が家を建てる前に、平屋のオープンハウスをたくさん見学しましたが、一番多かったのが35坪前後の平屋でした。
延床面積30坪台の平屋の間取りプランについては【30坪台】平屋間取り図61選!【成功例が満載】でまとめているので、あわせて確認してみてください。
理想的なのは70坪以上の土地
35坪の平屋を目指す場合、建蔽率50%の土地であれば、最低でも70坪の土地が必要となります。
4人家族の場合は、とりあえず70坪くらいの土地を見つけることができれば、ゆとりある35坪前後の、快適な平屋が建てられそうです。
「誘導居住面積水準」で計算した、世帯人数ごとの快適な平屋の面積と必要な土地は以下のとおり。
世帯人数 | 快適に暮らせる建物面積 | 必要な土地面積(建蔽率50%) |
---|---|---|
1人 | 25m2×1+25m2=50m2(15坪) | 30坪 |
2人 | 25m2×2+25m2=75m2(23坪) | 46坪 |
3人 | 25m2×3+25m2=100m2(30坪) | 60坪 |
4人 | 25m2×4+25m2=125m2(36坪) | 72坪 |
5人 | 25m2×5+25m2=150m2(45坪) | 90坪 |
40坪の土地でも3LDK平屋の建築は全然可能です
土地は広いほうが平屋の間取りの自由度は上がりますが、それでも「70坪なんて到底無理です。土地が狭いから平屋は無理かも!」とは一概に言えません。
例えば、【20坪台】平屋間取り図89選!【老後も安心なシンプル設計】の記事をみてもらうとわかると思いますが、延床面積が20坪程度でも、暮らしやすい平屋を建てることは十分に可能です。
また、一人暮らし、あるいは夫婦二人で快適に過ごせる平屋を建てる、というのであれば、間取り的にも1LDK、2LDKで十分。
世界でもトップクラスの少子高齢化社会の日本では、子ども部屋が無駄にならない、老後も暮らしやすい平屋こそが、これからの戸建てのスタンダードになっていくはずです。
建物の建築費を抑えたいなら、できるだけ正方形や長方形のキレイな整形地を入手したほうが有利
実際に平屋を建てるとなった場合に、建築費削減に最も効果的なのは、延床面積をできるだけ小さくすることです。
延床面積を小さくすれば、基礎、屋根の面積も小さくなるので、コストを効果的に抑えることが可能です。
そして、延床面積を抑えるために効果的なのが、廊下部分をなるべく少なくすること。
部屋と部屋をつなぐための廊下スペースが多くあるほど、基本的には延床面積は増えていきます。
延床面積が増えれば、建築費は比例して高くなる傾向にあります。
そして廊下部分を減らすには、居室を効率よく配置できる、正方形や長方形のかたちの平屋がベストです。
例えば、わが家を例にとると、下図のとおり、L字の我が家は廊下が長いので、移動のためのスペースに多くの延床面積を割いているわけです。
となると、人が生活する場所以外の面積のぶん、建築費が上乗せされます。
ではなぜ、このような長い廊下になったのか?
その原因は、L字形の変形した土地だったから、というのが大きなウェイトを占めます。
変形した土地に合わせて建物を配置すると、どうしても正方形や長方形のシンプルな平屋を建てることは難しくなってしまいます。
もし建築費低減に有利な、正方形や長方形の平屋を建てたいなら、土地探しの段階から、正方形や長方形のキレイな整形地を探したほうがよいのは間違いありません。
旗竿地やL字、極端に細長い、三角形といった土地は安く手に入りますが、その分、変わったかたちの平屋を建てる必要がでてきてしまい、結果的に建物の費用が高くなってしまうという事態は十分にあり得るので注意が必要です。
土地探しのおすすめ方法3選
平屋に適した土地探しを行っているかた向けに、無料でできる効率的な土地探しの方法3選をまとめました。
- 土地情報を提供してもらえるサイトを活用する
- athomeで調べる、通知をもらう
- 地主さんと直接交渉する
土地の情報は一般人の我々には入手しずらいイメージがありますが、上記の3方法を使えば、平屋に適した土地を見つけることの難易度が下がります。
関連記事
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
みなさんの家づくりの参考になれば幸いです。
これから家を建てるなら、フラットで移動や掃除がラク、子供が巣立ったあとも2階が無駄にならない平屋がおすすめです。
平屋のデメリット、2階建てとの価格の違いや、失敗しない間取りの作り方などを平屋を建てる7つのメリット【2つのデメリット・間取りの作り方も解説】にまとめました。