- 注文住宅を建てることを考え始めたときに、まずはハウスメーカーの住宅展示場に行くべきでしょうか?
- 住宅展示場に行けば、家づくりを始めたばかりの初心者でも家について詳しくなれますか?
今日の記事はこういった疑問に答えます。
結論から言うと、家づくり初心者が、いきなりハウスメーカーの住宅展示場に行くことはおすすめしません。
理由は、エンターテイメントとして楽しむならアリかもですが、時間がかかる割には得られる情報が少なく、場合によっては悪影響もあるからです。
- 「まずはハウスメーカーの住宅展示場へ」がおすすめできない理由【消耗します】
- 理想の家を建てるために最も大切な考え方
- 住宅展示場に行くのであれば気をつけたいこと
私は2018年に平屋を新築しました。
家づくりを本格的に検討し始めたのは、第一子が生まれた2013年でした。
5年の歳月をかけて、土地探し、住宅展示場やオープンハウス巡りを数えきれないほど経験してきました。
今日の記事は私の住宅展示場巡りの経験をもとに、なぜ最初に住宅展示場に行くことをおすすめしないかをご説明します。
これから家を建てるかた、家づくりで後悔したくないかたは必見です。
「まずはハウスメーカーの住宅展示場へ」がおすすめできない理由【体験談】
家づくりを考えた時に誰もが住宅展示場に行くことを考えると思います。
でもいきなりの住宅展示場巡りは、正直おすすめできません。
理由を深掘りします。
住宅展示場を回っていて、途中で気分が悪くなった妻
結婚したてのころ、近所に新しくできた住宅展示場へ足を運んでみました。
家はそのうち欲しいよね、ちょっと覗いてみようか、くらいなノリだったと思います。
さっそく一棟目を訪ねます。
すぐに男性の営業担当者がきて、家の紹介を始めてくれました。
まずはひととおり、1階と2階の各部屋をまわります。
基本的にはいいことしか説明してきませんので、なんとなくそんなものかなーくらいな感じです。
2階の商談コーナーのソファに座り、「簡単なアンケートにお答えいただけますか」と言われたので、アンケートを書き終えたら退散しようと考えていました。
ところが、私達の担当の営業のかたが、もうまるでこのハウスメーカーで家を建てるのが決まったかのようなトークを展開してきました。
土地はこのくらい必要ですね、今わたしどもで抑えている土地がこれだけあります、広さがこのぐらいだとざっくり〇〇〇〇万円くらいで建てられます、具体的にお話を進めたいのでいつならご在宅ですか、、、などなど。
家を建てるってこうゆうやり方でいいのかな?と疑問に思いながらも、自分達に判断するだけの知識がないので、基本的には言われるがままです。
1時間近く拘束されて、そのうちに妻が疲れてしまい気分が悪くなったと言い出しました。
売りたいモード全開の営業マンです。そんな妻の顔色にも気づかず、いっこうに話が終わりません。
なんとかタイミングを見計らってそのハウスメーカーを後にしました。
結局、その1件目のハウスメーカーですっかり消耗しきってしまい、せっかく10棟以上ある展示場なのに、他のメーカーはまわることができませんでした。
後日、何か所か別の住宅展示場も巡りましたが、やっていることは一緒です。
ひたすらその家のいいところばかりを説明され、カタログをもらってアンケートに答えて帰る。
その繰り返しでした。
ハウスメーカーの特徴は、住宅展示場に行かなくてもウェブサイトやカタログなどで確認できる
住宅展示場をめぐって聞くことができる話は、結局のところ、ハウスメーカーのウェブサイトやカタログで確認できることがほとんど。
ウェブなどの媒体で確認できる情報をを繰り返し聞かされるだけで、正直あまり新しい情報は得られません。
ですが、時間と労力だけは異常にかかります。
非効率すぎて妻も私も最後は嫌気がさしてしまい、住宅展示場をまわるのはやめました。
カタログをもらうなら、今はカタログ一括請求サービスを利用したほうが遥かに楽です。
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知識がない状態でいきなり住宅展示場に行っても意味がない
ここまで書いたような経験を踏まえて、出したひとつの結論があります。
それは、自分達の理想の家、理想の暮らしがわかっていない状態で住宅展示場に行くのは時間の無駄だ、ということです。
自分の中に理想の家のイメージ、建築に関する知識がある程度なければ、実際の建物をみても、その良し悪しや設備、間取りの必要性が理解できないからです。
前述したように、住宅展示場ではその家のいいところばかりを営業マンから聞かされます。
特にネガティブな要素はないし、けっきょくどのメーカーで建てても大差ないんじゃない?と最終的には感じてしまいます。
そんな状態で適当に選んだハウスメーカーで家を建ててしまい、実際に暮らしてみると暮らしにくくて、こんなはずじゃなかった、、、と途方に暮れることになるかも知れません。
住宅展示場に行ってもいい人
残念なことに、住宅展示場にあまりいい印象を持っていない私達夫婦ですが、すべてを否定しているわけではありません。
「目的意識を持っていける人であれば、実物を確認することには効果がある」と考えます。
そのためにはまず、家を建てる自分達が、ハウスメーカーや工務店のウェブサイト、家づくりのブログ、本や雑誌などで勉強することが大事です。
勉強していくと、ある段階から、自分達の理想の家のイメージができてくるはずです。
勉強することで、無意識のうちに「目的を持って家を見る目」が養われます。
そこまでくると、たぶん、散歩していても、車でドライブしていても、今まではなんとなくぼんやりと通り過ぎていた近所の家を、ものすごくよく見るようになっているはずです。
例えばある車を欲しいと意識しだした途端に、ドライブ中にその車とすれ違う機会が急に多くなったように感じることはないですか?
その車とすれ違う台数はおそらく意識する前とほとんど変わっていないはずです。
変わったのは自分の意識。自分の脳がフォーカスする場所が変わったということなんです。
実際私も建築プランを検討している最中は、あたりの家が気になって気になって仕方ありませんでした。
自分達の理想の家と同じところはどこか、逆に違う箇所で参考になるところはないかということを、脳が無意識のうちに探しまくるからなんですね。
ここまできた人は、住宅展示場に行っても、勉強する以前とはまるで違う視点でみられるようになります。
自分達が採用しようか迷っている設備や建材などが使われている場所をピンポイントで見に行く。
壁紙やインテリアの配色などを参考にするのもアリです。
我が家は平屋ですが、平屋の実物サイズの間取りを確認するために行く、なんていうのもいいでしょう。
カタログなどを見て、お気に入りのハウスメーカーが見つかったのなら、そのメーカーの実物を見に行って、実物でしかわからないディテールを確認するなんてこともできるようになります。
ようするにきちんと自分達に知識があれば、「住宅展示場をうまく使いこなす」ことができるのです。
実際に私は「床下エアコン」を勉強したあとに、「床下エアコン」採用の家がある住宅展示場を2か所まわりました。
ちょうどよいことに、その2つの家はどちらも床下エアコンで、床面積もそれほど変わらなかったのですが、窓のタイプが違いました。
一か所は樹脂とアルミのハイブリッドでペアガラス、もう一か所はオール樹脂のトリプルガラスだったのです。
床下エアコンの効き目を確認することはもちろんのこと、樹脂窓、ハイブリッド窓が床下エアコン暖房に与える影響を体感するにも多いに役立ちました。
以上のとおり、「基礎知識をしっかり学ぶ」という段階をすぎなければ、実物の家を見に行ったとしても、見るべきポイントが絞れないので、参考にはなりません。
住宅展示場に行くのであれば気をつけたい2つのこと
最後に住宅展示場に足を運ぶのであれば、気をつけておいたほうがいいことをお伝えします。
住宅展示場の基本は豪邸。広さも設備もリアルではない。
住宅展示場の家は、基本的に設備もオプションも広さも、どこをとっても豪邸仕様です。
夢を見せるために作られた家がほとんどですので、現実感が乏しい。
なので、生活のイメージが沸きにくく、参考にできる情報は当然少ないです。
広さにだまされないこと
豪邸を見学させてもらう分には楽しい空間ですが、実際の予算で建てられる家とはかけ離れていることがほとんどです。
広さについても、見学者がたくさん入ることを想定しているため、通路も玄関もだいぶ広めに作られています。
生活感も乏しいので、リアルサイズの未来の生活が見えません。
ふーんすごいねで終わってしまうのです。
ふーんすごいねで終わればまだいいのですが、人によっては、「このくらいの広さがないと狭くて不便に違いない」なんて思ってしまうと厄介です。
特に奥様が豪邸を気にいってしまい、あとから理想と現実のギャップを知った場合は、、、
もうおわかりですよね。
夫であるあなたにストレスがかかる可能性がありますw
ですので、見るべきところだけを確認して、異常に豪華な部分についてはあまり参考にならない、あえて参考にしない、という意識で最初から望みましょう。
理想の注文住宅を建てるために最も大切な考え方
注文住宅を建てるスタートラインに立つために、重要なことがあります。
注文住宅の家づくりで最も大切なのは「自発的であること」
実際に施行錯誤して平屋を建てた私が感じるのは、「家づくりに対して受動的な態度のままでは、いい家づくりは絶対にできない」ということです。
住宅展示場に行くと、矢継ぎ早に営業トークにさらされます。
これは考えようによっては、ある意味ラクなんです。
自分達のアタマで考えなくてもいいからです。
自分達のアタマで考えない=受動的な態度を助長することにもなります。
営業マンの言われるまま、おすすめのままのプランで家を建てる。
ラクかも知れませんが、自分達の今住んでいる家の問題点や、理想的な生活を、何も言わずにハウスメーカーさんがくみ取ってくれる確率は0%です。
ハウスメーカーさんだけでなく、設計事務所との家づくりでも同じです。
あたりまえに聞こえるかも知れませんが、実際の家づくりは考えることが山ほどあるため、面倒になって「まあこんなもんだろ」と深堀りしないで流してしまうことがあります。
実際私は、5年かけて色々勉強してプランもねってお金も工面してなんとか平屋を建てましたが、それでも後悔している点がいくつかあります。
一生懸命考えてもやはり後悔するポイントはあるのですから、自分達のアタマで考えないで家を建てた場合は、住みやすくない家ができあがる可能性は極めて高いです。
【まとめ】注文住宅は高い買い物です。いきなり住宅展示場に行かないで、焦らずじっくり情報武装しましょう
今日の記事をまとめます。
- 住宅展示場にいきなり行くのはおすすめしません。
営業トークに付き合うのは正直疲れます。
そのうちに、「いかに営業マンをうまくかわしつつ、家だけササっと見て帰るか」、などの無駄な技を覚えたりして、本質とは関係ない部分で気を使ったりしますw
うちの妻のように気分が悪くなる可能性もあります。 - 住宅展示場に行くのであれば、まずは自分達が家について勉強しましょう。
自分達の理想の家は、自分達のアタマで考えて言葉にして伝える。自発的であることが大事です。
ハウスメーカーのウェブサイト、家づくりブログ、本、雑誌など良質な情報は努力すれば簡単に手にはいる時代です。まずは基礎知識を高めて家を見る目を養いましょう。 - 十分な知識がついたら見るべきポイントを絞ったうえで住宅展示場に足を運ぶのは有益です。
- 住宅展示場にある家は基本的に豪邸です。リアルな生活のヒントは得られないケースが多いです。また、広さにまどわされないようにしましょう。あとから現実を知っても決して悲観的にはならないでください。
家づくりをするのに大切なのはやっぱり情報です。
実際に家を建ててみて痛感しています。
勉強したつもりでも、見逃していることは山ほどありました。
これから家を建てる皆さんは、ハウスメーカーや住宅展示場に足を運ぶ前に、十分に勉強されることを強くおすすめします。
勉強したことは余すところなく、住宅展示場の家を見たときに役立つはずです。
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本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
みなさんの家づくりの参考になれば幸いです。
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