- 出力容量10kw以上の太陽光発電システムを導入する予定ですが、買取方式は「全量」と「余剰の」どちらを選べばいいでしょうか?
- 出力容量10kw以上のため販売業者からは発電した電気をすべて売る「全量買取」をすすめられていますが、本当に全量買取のほうが有利なのでしょうか?
今日の記事はこういった疑問に答えます。
結論から言うと、秒速で「余剰買取」の一択です。
今日の記事は、我が家の太陽光発電を例に、10kw超えの太陽光発電を導入する際の買取方式の選択について、売電額のシミュレーションを交えながらご紹介します。
太陽光発電を導入する場合の買取方式の違いについて知りたいかたは必見です。
2020年度から10kW以上50kW未満の太陽光発電は、基本的にすべて余剰買取しか選択できなくなりました。
ですので本記事については2019年度以前の参考情報としてご覧ください。
こんな疑問をお持ちのかたは多いと思います。
どこに頼めば安く工事できるかなんて、素人の私達にはわからないですよね?
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太陽光発電の買取方式で全量よりも余剰を選択する理由は、売電単価が下がったからです。
理由は、売電単価よりも、昼間に電力会社から買う電気の単価が高くなってしまったからです。
全量買取と余剰買取の違いは、固定価格の買取期間と売電単価です。
太陽光発電はできるだけたくさんの太陽光パネルを載せたほうが利益が出やすいのは事実です。
出力容量が10kw以上になると、産業用という位置づけになり、発電した電気の買取方式を、「全量買取」と「余剰買取」の2通りから選ぶことが可能です。
太陽光発電の売電方式は2通りあります。
- 余剰買取
昼間、太陽光で発電した電気をまず自宅で消費して、余った分だけを電力会社に買い取ってもらう方式です。 - 全量買取
太陽光で発電した電気をすべて電力会社に買い取ってもらう方式です。
さらに出力容量によって選べる売電方式と固定価格の買取期間が異なります。
- 出力容量10kw未満の場合
余剰買取しか選択できません。
買取価格は2019年の場合で24円/kwhです。
24円/kwhで買い取ってもらえる期間は10年間です。 - 出力容量10kw以上の場合
余剰買取か全量買取か選択することができます。
買取価格は2019年の場合で14円/kwhです。
10kw未満の場合よりも買取価格が低いですが、14円/kwhで買い取ってもらえる期間は10kw未満の倍の20年間になります。
すでに売電単価よりも買電単価のほうが高くなっています。
2019年度の場合、出力容量10kw以上の場合は、売電価格は1kWhあたり14円です。
対して、電力会社から昼間に買う電気の価格は14円よりも高いのが一般的です。
我が家は東京電力の「スマートライフプラン」という電力プランを契約しています。
時間帯別電気料金は以下の通り。
- 深夜1~6時:17.46円/kWh
- 上記以外の時間帯:25.33円/kWh
太陽光で発電した電気を自家消費できる昼間の電気代は25.33円で、約11円、売電価格よりも高いです。
ということは、昼間発電した電気は、電力会社に14円で売るよりも、自家消費して電力会社から25.33円で電気を買わないほうが得だということです。
全量買取の場合の売電収入をシミュレーション値から算出
我が家が載せた12.5kwの太陽光発電システムの発電シミュレーションでは、年間の平均発電量は13,318kWhです。
我が家は2018年度の売電単価18円/kWhで契約しました。
平均発電量に売電単価18円をかけると、239,724円です。
もし電力会社に発電した電気をすべて売った場合(全量買取)の推定収入は以下のとおりとなります。
- 239,724円/年
- 239,724円×20年=4,794,480円
20年間で約480万円の売電収入が見込めます。
では初期投資から売電収入を引いたらいくらの利益が出るでしょうか。
我が家の太陽光発電システムの導入費用は約271万円でした。
20年間の売電収入から初期費用を引くと以下のとおりとなります。
480万円ー271万円=209万円の利益
これでも十分な利益だとは思いますが、これは「全量買取」の契約、すなわち発電した電気を全部電力会社に売った場合の利益額になります。
「出力容量10kw以上だから自動的に全量買取」は間違い?!
出力10kw以上の買取単価の推移です。
見ていただくとわかるとおり、2016年度くらいまでは電力会社から昼間買う電気の単価よりも、売電単価のほうが高い、あるいはとんとんくらいでした。
- 2012年度:40円
- 2013年度:36円
- 2014年度:32円
- 2015年度:29円
- 2016年度:24円
- 2017年度:21円
- 2018年度:18円
- 2019年度:14円
売電価格のほうが電気代よりも高いわけですから、2016年くらいまでは、発電した電気を全部売ったほうが利益が出たわけです。
ここが実は落とし穴です。
というのも、高く売電できていたころの名残で、出力容量10kw以上の太陽光発電を載せた場合、今でも何も考えずに、「全量買取」を選んでしまう人がいるのです。
自分で選ばないまでも、国の買取制度についてよく知らない、あるいは販売店から十分な説明を受けなかった場合に、10kw以上だから産業用ということで「全量買取」を知らないうちに契約しているケースがあります。
実際に、全量買取で申し込んだが、あとから余剰買取が選べることを知ったがどうにもできなかった、というネット上の口コミをいくつか見たことがあります。
買取方式は契約後は変更できません。
また全量買取の場合は、そもそも家庭内で自家消費するための設備を宅内につなぎこんでいない(太陽光で発電した電気はそのまますべて電線に流して売電する)ため、あとから自家消費して余った電気だけを売る余剰買取には変更できないのです。
余剰買取の場合の収支を計算すると、1年間で268,989円、20年間で5,379,780円になりました。
では次に、自家消費して余った電気だけを売る「余剰買取」の場合で収入をシミュレーションしてみましょう。
一般的に、余剰買取の場合は、発電量の30%程度を自家消費すると言われています。
ではさきほど計算した年間の発電量をもとに、30%自家消費したと仮定して収入を計算してみます。
- 年間の平均発電量:13,318kWh
- 年間の平均発電量13,318kWh×自家消費率30%=3,995Kwh
- 3,995kWh×スマートライフプランの単価25.33円=101,193円
- 自家消費できずに余った電力量:13,318kWh×70%=9,322kWh
- 9,322kWh×売電単価18円=167,796円
- (3)と(5)の合計金額:268,989円
- 268,989×20年=5,379,780円
1年間で268,989円、20年間で5,379,780円の収入となりました。
余剰買取にしたほうが、年間で29,265円、20年間で585,300円収入が増える
では全量買取の金額と比較します。
全量買取の場合に売電で得られる収入は以下の通りでした。
- 239,724円/年
- 239,724円×20年=4,794,480円
対して、余剰買取の収入は以下の通りです。
- 268,989円/年
- 268,989円×20年=5,379,780円
初期投資の回収にかかる年数は全量買取の場合は11年と3か月、余剰買取の場合は10年と1か月
続いて、全量買取と余剰買取の場合で、初期投資の回収にかかる年数も比較してみます。
年数 | 全量買取の収入合計 | 余剰買取の収入合計 |
1年 | ¥239,724 | ¥268,989 |
2年 | ¥479,448 | ¥537,978 |
3年 | ¥719,172 | ¥806,967 |
4年 | ¥958,896 | ¥1,075,956 |
5年 | ¥1,198,620 | ¥1,344,945 |
6年 | ¥1,438,344 | ¥1,613,934 |
7年 | ¥1,678,068 | ¥1,882,923 |
8年 | ¥1,917,792 | ¥2,151,912 |
9年 | ¥2,157,516 | ¥2,420,901 |
10年 | ¥2,397,240 | ¥2,689,890 |
11年目 | ¥2,636,964 | 10年と1か月¥2,712,305 |
12年目 | 11年と3か月¥2,716,872 | – |
表のとおり、全量買取よりも余剰買取のほうが、およそ1年と2か月、早く初期投資を回収できる計算になりました。
以上の結果をまとめると、以下のとおりとなります。
- 余剰買取にしたほうが、20年間で585,300円収入が増える。
- 余剰買取のほうが初期投資を1年2か月早く回収できる。
- 20年間で比較すると、全量買取の場合は約208万円、余剰買取の場合は267万円の利益が出る。
60万円近く多い利益が出るため、明らかに余剰買取のほうが優れています。
また、この差というのは、今後、電力会社から買う電気の単価が上がった場合には、より差が広がることになります。
買電単価が上がれば上がるほど、太陽光発電の電気は売らずに自家消費したほうがお得になるわけです。
21年目のことを考えても余剰買取が有利
固定価格での買取は20年で終わるため、21年目以降はいくらで売電できるのかわかりません。場合によっては売電ができない可能性もあります。
しかし余剰買取を選んでおけば安心です。
たとえ21年目の売電価格が0円になったとしても、昼間に発電した電気を自家消費して買電額を削減することは引き続き可能だからです。
全量買取の場合はそうはいきません。
全量買取の場合は、発電した電気はすべて電柱の電線を通して電力会社にそのまま送られます。
もともと発電した電気を室内に送るための設備がないのです。
ですから、21年目以降にもし売電単価が0円、買い取ってもらえない、ということになった場合は、自家消費することもできず、売ることもできず、ただの重たい太陽光パネルが屋根の上に載っているだけ、ということになってしまうわけです。
もし自家消費したい場合には、室内に発電した電気を引き込む工事が必要になってしまいます。
【まとめ】余剰買取を選択して初期投資を早く回収し、21年目以降も買電額を削減しましょう。
今日の記事をまとめます。
- 買電単価が売電単価よりも高くなった現在では、発電した電気を電力会社に売るよりも、自家消費したほうが経済的メリットがあります。
- 余剰買取にしておけば21年目以降も引き続き、昼間の電気代を削減することが可能です。
全量買取の場合、発電した電気を自家消費するためには追加の工事が必要になります。
21年目以降に買取単価が0円になるリスクも考慮して、最初から余剰買取を選択しましょう。
我が家の太陽光発電の余剰買取にしたおかげで、晴れてさえいれば昼間の電気代は全くかからない生活となりました。
夜間電力に比べて昼間の電気代は割高ですが、太陽光発電のおかげで昼間の高い電気代にビクビクすることなく電気が使えるようになりました。
暮らしのストレスがひとつ減ったと同時に、電気代の削減によって住宅ローン返済を助けてくれています。
みなさんも太陽光発電を10kw以上載せるなら、余剰買取を選択することをおすすめします。
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本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
みなさんの家づくりの参考になれば幸いです。
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